6月24日に3人の遺体が見つかった富士山山頂の火口。直径は約700m。深さは200m以上あります。
静岡県警によりますと、3人の遺体はそれぞれ数メートル以上離れた場所にあり、いずれも単独で登山していたとみられています。
真冬の寒さの山頂
斉藤力公 記者:
救助に向かったブルドーザーがいま、1人の遺体を運んで下りてきました。いま、シートの向こうで山岳遭難救助隊員によって1人の遺体が警察車両に運びこまれていきます。
3人のうち1人は東京都日野市の53歳の男性で、男性の遺体は26日、ブルドーザーで富士宮口5合目まで搬送されたあと、御殿場警察署に収容されました。
男性は、21日の夜に自宅を出て、22日の午前中に山頂で撮影したとみられる写真を送ったのを最後に連絡が取れなくなりました。
男性がいた22日の富士山頂の最高気温は5.5℃、最低気温は1.4℃で、真冬並みの寒さでした。
体が飛ばされるくらいの強風も
さらに山小屋の経営者によりますと、男性が登っていた当時は山頂は風が強かったということです。
東富士山荘・米山千晴さん:
日曜日(23日)も(午前)10時から警察も捜索に行っているが、3000mで強風で引き返さざるを得ないと戻ってきた。(Q.土曜日の山頂の天候は?)強風、雨は降っていない。天気は良いんだけどものすごい強風。(山頂は風が)止んだ後でも体なんて持ち上がって飛ばされるくらいの40m・50mの風が吹きます。山頂付近はそういう風が吹く
3人は低体温症か
専門家は3人が火口で見つかった理由について次のよう話しています。
登山ガイド・上田洋平さん:
何かしらで滑落した、もしくは風に飛ばされた可能性はある。戻れずに、気温が低く風が吹いているので低体温症になってしまったのではないか
残る2人の遺体は遭難から比較的時間が経過しているとみられ、県警は天候などを考慮して28日以降に遺体の搬送を行う予定です。
これまでの調べで、富士登山者のうち県警では都内に住む別の男性の行方不明者届を受理しているほか、山梨県警も男性1人の届け出を受理しています。
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