能登半島地震で被災した石川県の輪島、七尾両市は27日、計22人を災害関連死と正式に認定したと発表した。5月に初めて認定された30人を含め、関連死は52人となった。県によると、これまで直接死として公表していた輪島市の1人が今回、関連死と認定されたため、直接死が1人減って229人となった。関連死と合わせて死者は281人となり、2016年の熊本地震の276人を上回った。

 新たに関連死と認定された22人のうち、遺族の同意が得られた11人について、亡くなった経緯も公表された。停電で暖房が使えず体調が悪化したことが目立ち、避難所でインフルエンザや新型コロナに感染した後に亡くなった人もいた。輪島市の80代の男性は、金沢市の「みなし仮設住宅」のアパートに入居したが、生活環境の激変によるストレスやショックで心身に負担が生じて亡くなっていた。

 22人の内訳は、輪島市19人、七尾市3人。性別は男性5人、女性6人、非公表11人。年代別では90代以上4人、80代7人、非公表11人。

 前回と合わせると、80代が14人と最も多く、次に90代以上が続く。

 今月25日には3回目の審査会が開かれ、珠洲市、能登、穴水両町の18人を認定死とするよう答申されており、死者は計299人になる見通し。

 馳浩知事は27日の会見で、熊本地震では関連死が直接死の約4倍だったことに触れ、「絶対そんなことにさせたくない。避難所や仮設住宅の見守り態勢、福祉コミュニティーよる支援を丁寧にやっていきたい」と述べた。

 被害の大きかった6市町に関連死の疑いで申請が出されたのは、審査済みも含めて少なくとも203人にのぼり、関連死の認定はさらに増える可能性がある。

 関連死と認められた人の遺族には、亡くなった人が生計維持者の場合は500万円、それ以外は250万円の災害弔慰金が支払われる。(土井良典)

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