◆中野・板橋・北区で対決「有権者に分かりづらい」
「『自民は知事選で小池さんを応援』と言ったって、その小池さんは都議補選で誰を応援するんですか、という話になってしまう」。中野区で自民公認候補として出馬する元区議の出井良輔さん(51)はため息まじりに語る。「有権者に分かりづらいと思う」 元都議の荒木千陽さん(42)は都民ファ公認で出馬予定。15日、「妹分」の荒木さんの事務所開きに出席した小池さんは「本当にすばらしい仕事を続けてくれた」と持ち上げた。小池さんとの合同演説会も予定する荒木さんは「自民とのしがらみはない」と自民側を強くけん制する。告示を控え、設置された都議補選中野区選挙区のポスター掲示板(右)=東京都中野区で
「ねじれ」に勝機をうかがうのが共産だ。中野区では元区議の長沢和彦さん(62)を擁立する。知事選で前参院議員の蓮舫さんを支援する共産の関係者は「自民と都民ファはある意味、割れている。『蓮舫与党』を増やすためにも勝ちに行く」と意気込む。他に会社経営のマエキタミヤコさん(60)も出馬を表明している。 都議補選が実施されるのは江東区、八王子市など9選挙区。うち中野のほか板橋、北の各区でも自民と都民ファが対決する。◆自民と都民ファの議席差は2、逆転の可能性も
自民都連は知事選で独自候補を出さず、小池さんを支援している。一方、都議補選では8選挙区に候補を擁立。公明は自主投票としている。 都議会では現在、自民が27議席で、都民ファは25議席。補選の結果次第で、第一会派の座が逆転する可能性もある。裏金問題の逆風が続く自民には、知事選で支援する小池さんに「代わりに都議補選では自民候補を応援してほしい」(都連幹部)という思惑がある。 しかし、小池さんは身内の都民ファ候補を支えないわけにはいかない。複数の関係者によると荒木さんのほか、自民と競合する他の選挙区でも、都民ファ候補の応援に入る方向で調整中という。競合区の事情を知る自民都議は「知事選で応援すると言っているのだから、都議補選では自民と都民ファの両方に入ってほしい」とこぼす。 自民が擁立する8選挙区のうち5選挙区では都民ファは擁立しておらず、立憲民主や共産などの候補者たちと対決する構図。これらの選挙区について都民ファ幹部は「うちの候補がいない選挙区であれば、小池さんの自由」としつつ「知事選で自民の支援を『受ける』より、自民を応援に『行く』という構図の方が、自民とつながっていると見られる影響が大きいのではないか」と懸念した。 26日現在の都議会会派構成は自民27▽都民ファ25▽公明23▽共産19▽立民15▽ミライ4▽無所属5▽欠員9となっている。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。