本来はいないはずの場所でクマの出没が相次いでいます。2度にわたり侵入された小中学校では、緊急の対応を迫られています。
■日光に体長1メートルのクマ 警察と対峙
25日、警戒する警察官の目の前に、クマが現れます。 リポーター「日光市内の宿泊ホテルの敷地内にクマが出没したということで、警察官が見回りをしています。いました!クマいました。大きな黒い…成獣でしょうか。クマがいま歩いて…斜面を駆けのぼっていきます」 山の斜面をのぼっていくクマ
午前11時すぎ、クマが現れたのは人気の観光地、栃木県奥日光にあるホテルの敷地内です。
警察「駐車場の反対側の斜面をいま上がっていったので、まだ歩いている人がいるので」 パトロール中の警察官がクマの行方を追います。右手には警棒、左手にはクマ撃退スプレーが。 警察官がクマの向かった方向に移動すると…
クマを発見。クマは木の間で止まり、こちらの様子を伺っています。 リポーター
「1メートル以上はあるような大きなサイズの黒いクマ…いま、走りました!斜面を大型の黒いクマが走っています」 体長1メートルほどのクマが警察官と対峙。近くでは、24日もクマが現れ騒動になっていました。
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■クマが校庭に侵入&居座り 緊迫の一部始終■クマが校庭に侵入&居座り 緊迫の一部始終
木の上に登っているのは、大きな三日月模様があるツキノワグマです。クマの姿を撮影したのは山の中ではなく、子どもたちが通う小中学校の職員室からです。
体長1メートルほどのクマが、24日の午前と午後の2回にわたり小中学校の校庭に侵入。長時間居座る前代未聞の事態が起きたのです。この時、学校には児童や生徒、教職員あわせて約30人が校舎の中にいました。
日光市立中宮祠小中学校 旭山晴美 中学校教頭「子どもを預かっている建物のすぐそばにクマがいるのは、怖い」 人気の観光地「華厳の滝」から約400メートルの場所にある、日光市立中宮祠小中学校にクマが現れたのです。 25日、小中学校の教頭が番組の取材に応じ、緊迫の一部始終を語ってくれました。 日光市立中宮祠小中学校 旭山晴美 中学校教頭
「クマがいたのはこの木の下。そのうちすぐ桜の木の上にあがってよく見ると 赤い実が付いている。サクランボの実を食べていた」 校庭の山桜には、サクランボの実がなっています。 24日の午前11時ごろ、クマが木にのぼり、サクランボを食べている姿を教員が目撃しました。クマが校庭に現れた時、子どもたちは授業中でした。 日光市立中宮祠小中学校 旭山晴美 中学校教頭
「いま授業が始まりましたが、この教室から(クマを)見つけた」 サクランボを食べていたクマは、約40分、校庭に居座ります。そして、驚異の身体能力を発揮します。 日光市立中宮祠小中学校 川田正己校長
「このフェンスをよじ登って、白かばの木にしがみついて、下に降りて林のほうに行った」 学校の敷地と林を隔てる、高さ2メートルほどのフェンス。
目撃した校長によりますと、クマは難なくフェンスをよじ登り、林のほうへ去っていったといいます。
ところが、約2時間後の午後2時すぎ、クマは再び学校に現れます。体育館から、教員が目撃し撮影しました。窓からわずか数メートル先にいたといいます。 人がいる体育館のほうには目もくれず、茂みに顔を近づけ、匂いをかぎながら移動しています。学校は、午前中に現れたクマと同一個体とみています。
日光市立中宮祠小中学校 旭山晴美 中学校教頭「人のいる校舎の方に近づいてもビクビクしている様子もなく、のんびりと下に寝そべったりした。最初は。そのうち落ちている実を食べたり木に登ってゆっくり食べていた」 2回目の出現でクマが学校の敷地内にいたのは、約1時間30分にも及んだといいます。
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■クマ出没で全校集会 異例対応も■クマ出没で全校集会 異例対応も
クマの出没から一夜明けた、25日朝。学校は厳戒態勢を敷きました。
クマとの遭遇を避けるため、小学校の児童や中学校の生徒は保護者の車で登校します。
学校側は、急遽、クマよけの鈴を子どもたちに支給。 保護者「クマよけの鈴、学校から渡された?」 小学生
「きのう(24日)の6時間目くらいの時に」 保護者
「心配になる。クマもご飯を食べに来ているし、元気に活発に動いているところを登校班で危ないことがないように、こうやって送り迎えするのは仕方がない」 校庭にクマが居座る異常事態を受けて学校は、25日、全校集会を臨時で開き、 緊急のクマ対策を子どもたちに伝えます。 日光市立中宮祠小中学校 旭山晴美 中学校教頭
「体育の授業は、当面、体育館で行います。休み時間、楽しみに遊びたいと思っている人もいると思いますが、今週はまず体育館で、または教室などで過ごしてください」 学校の全校集会が行われていたころ、警察には新たなクマの目撃情報が。25日も午前11時すぎにクマが現れたのです。 日光署によりますと、24日学校に出没したクマと同じかは分からないといいます。
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■住宅近くの工場に“猛スピード”クマ■住宅近くの工場に“猛スピード”クマ
各地で、人の生活圏に侵入するクマが相次いでいます。石川県の住宅地近くにある工場では… BKT製造部 六郷透部長「出会い頭でクマにばったり」
防犯カメラに映っていたのは、猛スピードで走り抜けるクマ。
働いていた従業員と、はち合わせになりました。 クマが現れたのは、石川県白山市。住宅近くにある金属加工工場です。 22日の午前4時半ごろ、 クマが走って近づいてきたことに気が付いた従業員は、驚いて逃げ出します。 BKT製造部 六郷透部長「あちらにカメラがあるが、従業員がここで作業をしていて、ここに行く途中に出会い頭にクマにばったり会った。そのまま従業員は間一髪逃げたが、クマも工場の中を通って出て行った」 従業員は間一髪で…
工場では、当時、5人が作業をしていましたが、けが人はいませんでした。
BKT製造部 六郷透部長「(Q.クマが好きそうなものがある?)いや、特に(ない)。金属加工業で生ごみなどは、一切、置いていない。どうしてこんなところに迷い込んだのか不思議」 なぜクマは人を恐れないのでしょうか? 岩手大学 農学部 山内貴義准教授
「日本各地で同じような事例が続いているので、クマが人慣れしていると感じる。里のエサやごみ、家畜の飼料の味を学習してしまった個体がきている。もしくはかなり人慣れしていて、出ても追い払われない、害がない、人間を恐れない存在、若い個体を中心に増えている」 この記事の写真を見る(31枚)
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