名古屋国税局で職員の非行を取り締まる監察部門のトップだった50代の男性職員が、官用車を私的に利用したり、出張中に有給休暇を取って観光し、不適切に手当を受給したりしていたことが、関係者への取材でわかった。局内で調査の対象となっており、辞職する意向を示しているという。
関係者によると、男性職員は昨年7月に名古屋派遣首席国税庁監察官に就任したが、就任後に複数回、業務時間中に官用車を別の職員に運転させて、名古屋市内の酒店に日本酒を買いに行くなどしたという。
また、監察業務で使うシステムの使用状況を視察するとして5月中旬に九州に2泊3日で出張した際には、2日目に公務が終了したのに帰任せずに、3日目は有給休暇を取って現地で砂風呂に入ったり、観光地を訪れたりしていた。2泊目の宿泊費と3日目の出張手当を受給した点について不適切だったと認めているという。
男性職員は税務署長などを歴任した幹部職員だったが、国税庁は今月3日付で同国税局総務部付とした。同国税局は朝日新聞の取材に「個別の人事については回答を差し控えたい」とした。
国税局で監察官経験がある東京の税理士は「監察官は身内に服務規律の徹底を求め、非行を追及する嫌われ役だが、職員の模範となるべき立場だ。その監察官自身の不祥事など聞いたことがない。他人に厳しく、自分に甘い部分が出てしまったのではないか」と話している。(高橋俊成)
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