横浜市教育委員会が教員の性犯罪事件の公判傍聴に職員を大量動員した問題で、職員らの集合時刻を4月以降に大幅に早めていたことが、市教委が開示した文書で分かった。市教委幹部は、他の傍聴者を確実に排除しようと早めた可能性を認めた。

公判開始の1時間15分前に集合するよう求めた横浜市教育委員会の文書

 市教委が東京新聞の請求で開示した出張命令簿や依頼文書によると、強制わいせつの罪に問われた市立小の元校長の2月の初公判では、集合時刻が開廷の45分前、3月の第2回公判は50分前で、4月の第3回公判ではさらに早め、1時間15分前を指定していた。  5月の記者会見で市教委側は、開廷30~40分前の裁判所到着を求めたと説明していた。片山哲夫教職員人事課長は「会見時は全部の事例ではなく、平均的な時刻を伝えた」と説明。早めた理由を「3月の公判で一般の傍聴者がいて、法廷に入れなかった職員もいたと聞いた。より多くの職員が入れるよう、早めたのではないか」と話した。

◆部長級から非常勤職員まで、幅広く

 開示文書によると、3回の公判への出張時間は多くが2時間半~4時間ほどで、用件は「裁判傍聴」のほか「動員業務」「人事案件対応」など。大半が市内4カ所ある学校教育事務所の職員で、部長級の事務所長から非常勤職員まで、幅広く対象にしていた。  出張命令簿上、動員されたのは3日間で延べ119人。市教委は「他に記録がない出張があるかもしれない」としている。この問題は弁護士3人が第三者検証中で、月内をめどに報告をまとめる見通しだ。(森田真奈子) 

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