広島県廿日市市立大野東中学校(同市大野)で今月、野球部の練習中に生徒が頭部を打撲し、6日後に死亡する事故があった。市教育委員会が22日、記者会見で発表した。
市教委によると、11日夕、「ロングティー」と呼ばれる打撃練習中に外野で飛球を追っていた2年生の男子生徒(14)が他の生徒と衝突し、地面に倒れた。駆けつけた養護教諭が生徒の左頭部あたりに赤みを確認したが、会話ができ、意識障害や出血もなかったため、救急車は呼ばなかった。
学校から連絡を受けた保護者が近隣の医療機関に連れて行き、帰宅。生徒はその夜、自宅で容体が急変し、病院に運ばれたが意識は戻らず、17日未明に死亡した。
11日の練習には部員30人のうち23人が参加。部活動指導員の男性(74)がトスした球をバットで打ち込んでいた。
会見で生田徳廉教育長は「学校の管理下で取り返しのつかない極めて重大な事故が生じてしまい、大切な命が失われてしまったことを大変申し訳なく思っています」と述べ、生徒本人や遺族に向けて謝罪した。
さらに、市内の全学校に対し、体育活動の安全対策や事故時対応の課題について速やかに通知する一方、専門家による調査委員会を設置して、原因究明や安全対策を進めていくと述べた。(編集委員・副島英樹)
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