能登半島地震による大火で焼失し、各地で出張を重ねてきた石川県輪島市の観光名所「輪島朝市」が22日、東京に「プチ進出」を果たした。本格的な出店ではないものの、首都に住む朝市ファンらでにぎわった。23日まで。
22日に東京都千代田区で始まった「Biople FES(ビープルフェス)2024 in TOKYO」。オーガニックライフや健康をコンセプトとして、添加物を使わない食品や化粧品を中心とした約50ブランドが参加したフェス。その中で、ひときわ目立つオレンジの看板があった。能登の復興ブースとして出店していた「出張輪島朝市」だ。
「出張輪島朝市」は、震災発生から約2カ月後の今年3月に、金沢市の金石港で初開催されて以来、小松や白山各市のほか、福井・兵庫・愛知などで計14回開催されてきた。 この日参加したのは、朝市通りで食堂「のと×能登(のとのと)」を切り盛りしていた橋本三奈子さん(62)、一人だけだ。宿泊費や距離の問題もあり、他の事業者は来られなかった。東京出身で都内に実家がある橋本さんが、自身が手掛ける能登半島沖で取れた「わじまの海塩」のほか、もずくや海藻類、輪島塗のアクセサリーやお箸などを、ほかの店主に代わって販売した。
主催者によると、事前に来場予約をした人は約4000人おり、22日は約1400人が訪れた。出張輪島朝市のブースも多くの買い物客でにぎわったという。「輪島朝市に行ったことがあるという方だけでなく、能登にふるさとがあるという方や、ボランティアに行きました、という方も来てくださり、みなさんに『応援しています』と言われて励みになりました」と橋本さんは話した。
22日は特に海藻類が人気だったと言い、干しホタルイカは1日で売り切れた。
橋本さんは「今回は私一人だし、規模が小さいから『東京での初開催』とまでは言えず、プレ開催のようなものですが、いつかは東京で大々的にやりたいですね」と笑顔で話した。能登半島地震によって、朝市通りを含む一帯は約240棟、およそ4万9000平方メートルが焼け、家屋の倒壊や火災により、16人が命を落とした。輪島市災害対策本部によると、公費による解体は今月5日に始まったばかりで、撤去のメドはまだ立っていない。
「復興への時間はまだまだかかると思うが、それまでは輪島朝市の灯を消さないことを使命だと思って出張を続けたい」(今村優莉)
「Biople FES 2024 in TOKYO」は23日まで。詳細は次の通り。■開催日時:6月23日(日)11:00〜18:00 ※最終入場は、終了の1時間前まで
■会場:マッシュグループ本社 東京都千代田区麹町5-7-1 麹町ダイビル
■ 下記予約フォームにて事前予約が必要
https://e-ve.event-form.jp/event/76101/bioplefes2024tokyo062223 この記事の写真を見る(6枚)
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