栃木県茂木町と茨城県筑西市を結ぶ真岡鉄道(栃木県真岡市)の50代の運転士が4月、呼気検査で基準値超のアルコールが検出されたのにSL観光列車を運転した問題で、6月18日に一部報道で事実関係が明らかになるまで、同社が関東運輸局に虚偽の説明をしていたことがわかった。運輸局は翌19日に同社に立ち入り検査を実施。ほかに基準値超があった可能性もあるとみており、今後、改善指示などの対応を検討する。
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同社と関東運輸局によると、運輸局に5月、「運転士が飲酒運転をしている。2週間前にもSLの運転士が検査で不合格になった」といった匿名通報があった。同社は調査の指示を受けた運輸局に、運転士の呼気検査で国が定める基準値を超えるアルコールが検出されたと説明したが、「1、2回目に数値が出たのは洗口液のためで、3回目はゼロだった」と回答した。運輸局はこの説明を信じ、問題視していなかった。
しかし、実際は3回目の検査はしていなかった。同社は「運転士の(虚偽の)話をうのみにして回答した」としている。ただ、同社には6月、詳細な情報提供があり、その後の再調査で事実関係を把握した。しかし、運輸局に回答の訂正をせず、運輸局は6月18日の一部報道で知った。同社は訂正が遅れた理由を再調査中だったとしている。
アルコールが検出された原因について、運転士は調査にビールを前夜に飲んだと説明したが、洗口液が原因だと主張している。同社は原因を特定していないが、近く、運転士と呼気検査に立ち会って虚偽の記録記載をした40代の男性運転指令らを処分する方針。(津布楽洋一)
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