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 人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」などで知られる、歌手の高橋洋子さん(57)が急きょ、コンサートへの出演を辞退しました。原因となったのは「生成AI」で作られたポスターでした。

■騒動の発端は「生成AIポスター」

高橋さん(公式Xから)
「この度、出演を辞退させていただくことといたしました。楽しみにしていただいた皆さまには大変申し訳ございません」

 アニメ音楽を専門とするオーケストラ「池袋アニメーションフィルハーモニー」への出演を辞退したのは、歌手の高橋洋子さんです。

 アニメ愛にあふれた演奏者が日本を代表するアニメソングを披露する公演。チケット代はS席9000円、A席7000円です。

 演奏予定曲には、懐かしの名曲や最新曲まで、大ヒットしたアニメソングが並びます。  開催にあたっては、メンバーの衣装などの費用に充てるためクラウドファンディングを実施。わずか1カ月のうちに188万円を集めていました。  騒動の発端となったのはポスター。ギターやバイオリン、ドラムを演奏する女性のイラストが描かれています。一見、普通のイラストですが「生成AI」を用いて作られています。 街の人(20代)
「えー、分かんないです」
「いや、分かんないです。言われないと」  生成AIとは、文章で簡単なイメージを伝えるだけで、本物と見分けがつかないほどの動画や画像を作る技術です。実写と見間違えてしまいそうなリアルなものを瞬時に作成することができます。

 このポスターも、パッと見ただけでは、生成AIで作成されたかどうかは分かりません。しかし、専門家が見ると…。

国立情報学研究所 越前功教授
「女性の手の部分ですかね。分かりにくいですけど、指が何本あるかということですね。あと一番上の女性の襟元の作りが、ちょっと違和感がありますよね。よくよく見てみると、細かいところでの違和感が少しあるんじゃないかなと思いますね」  女性の手元を見てみると、ドラムのスティックを握る5本の指が不自然な位置にあります。

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■高橋洋子、アニメ業界に寄り添う形で声明発表

■高橋洋子、アニメ業界に寄り添う形で声明発表

 アニメ業界ではAIの使用について、ある調査で7割以上が「一部または全面的に規制すべき」と回答しました。  作業の効率化を評価する声がある一方で、実在するアニメ作品を“元ネタ”として許可なく取り込み、著作権を侵害する恐れがあるという意見もありました。

 これまでアニメ作品の主題歌などを歌ってきた高橋さんは、アニメ業界に寄り添う形で声明を発表しました。

高橋さん(公式Xから)
「高橋洋子の気持ちとしては、アニメを深く愛する皆さまの気持ちを最も大事にしたいと思っております」

 「運営の姿勢と自身の想いが異なり、アーティストとして向き合うことができない」と明かしました。この決断に街の人はこのように話します。

街の人(20代)
「高橋さんもアニメ業界に長く携わっていると思うので、イラストレーターの方々の気持ちとかもくんで、そういう判断をされたなら、その判断を尊重すべき」

 SNS上でも「ファンの方や作品作りに対するお気持ちが伝わってきました」「クリエーターの気持ちに寄り添った判断、ありがとうございます」といった投稿がみられました。

 主催する団体の代表はコメントを発表しました。

池袋アニメーションフィルハーモニー
代表 松下洋さん(公式YouTubeチャンネルから)
「AIで良いじゃんみたいな考えは全然ないというか。もちろん全然本意ではないし、嫌な思いをしてほしくてそうしたわけではないんですけど、それでもそう思う人もきっといるでしょうから謝らせて下さい。全く悪意はないんですけど、してしまったことに対しては申し訳ございません」

 現在は、新たにイラストレーターに依頼したポスターに差し替えられています。

(「グッド!モーニング」2024年6月21日放送分より)

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