鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)は20日、全国の神社の多くを包括する宗教法人「神社本庁」からの離脱後、初めて記者会見を開いた。吉田茂穂宮司(82)は、宗教的権威で最高位の統理(とうり)をないがしろにする組織運営が続いていたと指摘し、「内部からの正常化を断念せざるを得ないとの思いに至った」と理由を説明した。  吉田氏は神社本庁について「ここ十数年来、組織活動は恣意(しい)的、独善的状況が見られる」と強調した。具体的な言及は避けたが、事務方トップの総長人事を巡り、2022年に統理が指名した人物を役員会の多数決で退け、現職の田中恒清氏が続投したことなどが念頭にあるとみられる。

神社本庁からの離脱について説明する吉田宮司(中)

 鶴岡八幡宮の離脱に関し、神社本庁は取材に「引き続き公益法人として法令を順守した運営を行うとともに、全国の神社の興隆を図ってまいります」とコメントした。  神社本庁は2022年12月時点で約7万8000の神社を束ねるが、近年は「こんぴらさん」の愛称で知られる金刀比羅宮(香川県)をはじめ、有名神社の離脱が続いている。鶴岡八幡宮と同時に、吉田氏が宮司を兼ねる鎌倉市内の荏柄(えがら)天神社と白旗神社も離脱した。(砂上麻子、阿部博行) 

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