新潟県上越市の中川幹太市長(48)が18日の市議会で、同市への企業誘致に関する質問に対し、市内に工場を構える企業の名前を挙げた上で「工場では高校卒業程度のレベルの人が働いている。企業誘致で頭のいい人だけが来るわけではないことを前提にしなければならない」などと発言した。直後に市議から批判の声が上がり、市長は発言を撤回。「不適切な発言をおわびする」と陳謝した。
中川市長の発言は、本会議の一般質問に対する答弁の中であった。市議が同市の企業誘致に絡み、市内に工場を構える化学工業関連の企業の名を挙げ、誘致全般に向けた決意をただす再質問をした。これに対し中川市長は、同社の従業員に占める研究職の割合について、少ないなどと数字を挙げて説明した上で、「高校卒業程度のレベルの人が働いている」「企業誘致で頭のいい人だけが来るわけではない」などと話した。
直後に議場からは「差別的な発言だろう」「不適切だ」などの声が相次いだ。市長は発言を撤回して陳謝。質問者とは別の議員が急きょ、問責決議案を提出したが、賛成少数で否決された。
19日の本会議でも企業誘致に関連する質問があり、中川市長は答弁の前に18日の発言に触れ「不適切な発言となったことをこの場を借りて改めて心からおわびする」と述べた。
中川市長は広島大学を卒業後、NPO法人職員や市議などを経て、2021年10月の市長選で初当選し、現在1期目。(北沢祐生)
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