兵庫県稲美町で2021年、自宅に火を付け小学生の兄弟を殺害した殺人罪などで伯父が有罪判決を受けた事件で、被害者と加害者が親族であることを理由に犯罪被害者給付金を減額した県公安委員会の決定は違憲、違法だとして、兄弟の両親が取り消しを求め神戸地裁に提訴したことが18日分かった。5月3日付。

伯父の松尾留与被告(54)は自宅にガソリンをまいて火を放ち、おいの侑城さん(当時12)と真輝さん(同7)を殺害した罪に問われ、神戸地裁姫路支部が懲役30年を言い渡した。死刑を求刑した検察側が不服として控訴した。

訴状によると、兄弟の両親が県公安委に犯罪被害者給付金を申請したが、加害者と被害者が3親等内の親族であるため3分の1に減額すると決定された。原告側は親族関係かどうかにかかわらず、遺族を救済する必要性に変わりはないと主張。減額を定めた法律の規定は、憲法が保障する法の下の平等に反するとしている。

18日、地裁で第1回口頭弁論があり、県側は請求の棄却を求めた。

犯罪被害者給付金は殺人など故意の犯罪行為で死亡した被害者の遺族らの負担を緩和するため国が一時金として支給する。〔共同〕

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