東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた広告最大手「電通」の元スポーツ局長補・逸見(へんみ)晃治被告(56)と法人としての電通グループの公判が18日、東京地裁であった。法人を代表して曽我有信副社長が出廷し「入札手続きが決まってからも大会組織委員会に頼られるがまま協力関係が続き、法令違反になった」と事件の経緯を語った。

 曽我副社長は、関係者への謝罪や再発防止策などを述べつつ、組織委が中心的な役割を果たしたと指摘。今回の事件は「組織委が入札に参加した各事業者を指導した結果」と主張した。そのうえで、組織委側は立件対象が元次長1人にとどまり、「なぜ(元次長以外の)幹部が立件されないのか」と疑問視した。

 電通側は昨年7月の初公判で、競技会場ごとに競争入札で発注されたテスト大会の計画立案業務(契約金約5億7千万円)の談合は認めた。一方、随意契約で請け負ったテスト大会実施業務と本大会運営業務(同計約431億5千万円)は談合に当たらないと否認していた。

 曽我副社長は改めて本大会業務などの談合については否認し、五十嵐博社長が捜査段階で東京地検特捜部に聴取された際、「本大会などの談合はないと伝えたが、調書に書いていただけなかったと聞いている」と指摘した。(植松敬)

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