福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で昨年1月、会社員女性が刺殺された事件で、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われた元交際相手の寺内進被告(32)の裁判員裁判の初公判が17日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。罪状認否で同被告は殺人罪を認めた上で、「待ち伏せは違います」と述べ、ストーカー規制法違反罪について無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、寺内被告は女性から別れを告げられた後、何度も女性に電話するなどしたため、福岡県警からストーカー規制法に基づく禁止命令を出されていたと指摘。事件直前、女性の勤務先近くで待ち伏せし、出てきた女性を170メートル以上追跡した上で、包丁で少なくとも17回突き刺したとした。
弁護側は冒頭陳述で、寺内被告は携帯電話料金支払いのため、偶然女性の勤務先付近を歩いていたと主張。ストーカー行為はなかったとした。
被告人質問も行われ、女性と交際していた頃の2人の関係性などを弁護側が質問した。同被告は禁止命令を受けた後、「近寄ろうと思わなかった」と述べた。被告人質問は次回公判以降も実施される。
起訴状によると、同被告は昨年1月、勤務先から帰宅途中の川野美樹さん=当時(38)=を待ち伏せし、ストーカー行為をしたほか、同16日夕には博多駅前の路上で、川野さんの胸などを刃物で複数回刺して失血死させたとされる。
福岡地裁=福岡市中央区
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。