16日午後5時20分ごろ、福岡市東区の箱崎ふ頭で「6歳男児が海に転落した」と福岡海上保安部に市消防局から連絡があった。男児はライフジャケットをつけておらず、岸壁から約2メートル下の海に転落したが、近くにいた技能実習生のフィリピン人男性(26)=福岡市東区=が海に飛び込んで助け、2人ともけがはなかったという。
福岡海上保安部によると、福岡市内に住む男児は両親と兄、妹と一緒に現場へ釣りに訪れ、午後5時10分ごろ足を滑らせて海に転落した。家族は少し離れた場所にいたため転落に気づかず、近くで釣りをしていたフィリピン人の男性がすぐに海に飛び込んで男児を確保。海面から岸壁上までは約2メートルあり、近くにいた人たちがロープ付きのバケツやたも網などを使って男児を引き上げたという。
男児は低体温症の疑いがあり、念のため病院に運ばれたが、命に別条はないという。
両親は救助してくれた男性に対し、「お礼がしたいので連絡先を教えてほしい」と伝えたが、男性は「名乗るほどの者ではない」と言ってすぐに帰宅したという。
福岡海保の担当者は「男児は救命胴衣をつけておらず、男性がすぐに確保してくれていなかったら大ごとになっていたかもしれない」と話した。
現場はJR博多駅から北西約3.5キロの箱崎漁港近くの岸壁。釣りスポットとして人気だという。(小川裕介)
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