北方領土・歯舞群島の貝殻島周辺海域で15日、日本漁船によるコンブ漁が始まった。今年はコンブの成長の遅れが見込まれたため、当初の予定より2週間遅らせての出漁となった。
北海道根室市の納沙布岬沖には、早朝から漁船団が集結。海上が霧に覆われる中、漁業者たちは午前6時、約3.7キロ離れた貝殻島灯台の周辺に向けて一斉に船を走らせた。
貝殻島灯台は1937年、船の航行安全のため日本が建てた。灯台では昨年、国旗や十字架が掲げられたり、外壁が白く塗られたりしたことが確認されており、ロシア側が実効支配を誇示するような動きを見せる中での出漁となった。
貝殻島のコンブ漁は63年、民間協定に基づいて始まった。今年は5月中旬に、操業条件をめぐるロシア側との交渉が妥結した。
コンブの採取量は3千トン、チガイソやスジメを含む褐藻類の採取量は3360トンで、ロシア側に支払う採取権料は8037万円。9月30日までの期間中に、計195隻が操業を予定している。(山本智之)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。