児童相談所に一時保護された長女を奪い返したとして、未成年者略取などの罪に問われた読売新聞社員の30代の父親と、母親に対する公判が14日、神戸地裁(松田道別裁判官)であった。
検察側は「悪質性が高く一時保護の実行性が阻害される」とし、父親に懲役2年、母親に懲役1年6カ月を求刑し結審した。弁護側は執行猶予を求めた。判決は7月18日。
被告人質問で父親は、虐待の「疑い」の段階で一時保護され「(児相に)不信感を持った」とし、長女が帰ってきてほしいという気持ちを優先したと主張。奪い返す行為は弁護士から提案を受け、「合法だと信じ込んでしまった」とした。
「最終的には自分の意思でやった」といい、「決して許されない行為をし、大変申しわけありません」と述べた。
検察側は「弁護士から合法であるとアドバイスされた状況は認められるが、正当化できることではない」と指摘した。
弁護側は、弁護士の誤った助言の影響や両親の反省の意思などから、執行猶予を求めた。
検察側が初公判で読み上げた起訴状の内容などによると、両親は3月16日午前11時半ごろ、県西宮こども家庭センター(児童相談所)に虐待の疑いで一時保護されていた長女を、西宮市内の幼稚園で開かれた卒園式の終了後、タクシーに乗せて奪い去ったとされる。(原晟也)
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