5月、長野市で起きた住宅火災で、家の中にいた89歳の男性を救助した配達員の男性に消防から感謝状が贈られました。火の手が迫る中、冷静で的確な行動が命を救いました。

(カメラマン・5/17)
「住宅が火に包まれています。消防により消火活動が続いています」

5月、長野市平柴の住宅で起きた火災。木造2階建ての住宅と車庫の2棟が全焼しました。けが人はいませんでしたが、住人の89歳の男性は家の中から救助されました。

感謝状贈呈:
「ありがとうございました」

その救助にあたったのが、市内で宅配の配送会社を経営する酒井進さん(62)です。14日、消防から感謝状が贈られました。

火事があった日、酒井さんは仕事で近くにいて煙に気付きました。

住人を救助した・酒井進さん:
「屋根の方に火が上がっていたが、この時を逃すともう無理だなと思い、すぐ(救助に)行った」

この家には仕事で訪れたことがあり、高齢の男性がいつも2階から降りてきていたのを覚えていたため、すぐに2階へ。そこで89歳の男性を発見しました。

男性は足腰が弱かったため、酒井さんが背負いながら避難。煙を吸い込まないようタオルを渡し、男性は口に当てていたということです。

住人を救助した・酒井進さん:
「階段の所に来たら煙で充満して(階段の)下の方しか明かりが見えなかったので、私は息を止めながら、手すりで自分を抑えながらお父さんと下りてきた」

酒井さんは20年ほど消防団員として活動した経験がありました。消防も「冷静で的確な行動だった」としています。

住人を救助した・酒井進さん:
「『命の恩人』なんておっしゃっていただけたので、本当に無事でよかったなと思った」

長野市消防局・西澤尚消防局長:
「冷静で的確な判断と勇気ある行動がなければ、最悪の事態は免れなかったと考える」

なお、消防は、火事の現場は非常に危険なため、無理をせず、自分にできることを冷静に判断して行動してほしいとしています。

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