5年前、学校法人の土地取引をめぐる横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され裁判で無罪が確定した大阪の不動産会社の元社長、山岸忍さん(61)は、違法な取り調べがあったなどとして国に賠償を求めています。

捜査を担当した4人の検事の証人尋問が今週から大阪地方裁判所で始まり、14日は、この事件で実刑判決を受けた学校法人の元理事の取り調べを行った検事が出廷しました。

この検事は、山岸さんの事件への関与を認める供述をしていた元理事が供述の撤回を申し出たため、事件を指揮する主任検事に逮捕を待つよう進言したと証言したうえで、「『山岸さんの逮捕状を請求する』と聞いていたので、供述の撤回は逮捕するための証拠関係に関わると思った。主任検事に連絡すると『検討する』というようなことを言われた」と述べました。

山岸さんを逮捕する方針は変わりませんでしたが、検事は「主任検事が総合的に証拠を判断したと思うので、その判断に反発することはなかった」と述べました。

続いて、主任検事の証人尋問が行われ、「逮捕を待つよう進言されたかどうかは記憶に残っていないが、撤回の連絡を受けて逮捕の可否は検討した。しかし、逮捕に影響を及ぼすものではないと考えた」と説明しました。

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