クマのハンターに支払う報酬を巡って北海道の町と猟友会が対立している問題は交渉が決裂し、今後クマが出ても猟友会は対応しないことになりました。人口およそ4800人の小さな町が揺れています。
■ヒグマ駆除安すぎ「やってられない」
走行中の軽トラックに、猛スピードで何度も突進するクマ。今月に入り、すでに4件の目撃情報があったのが、北海道の南西部に位置する奈井江町です。町は地元猟友会にクマの駆除などを行う「鳥獣被害対策実施隊」への参加を呼び掛けていましたが…。
北海道猟友会砂川支部奈井江部会
山岸辰人部会長
「最低賃金にも満たない、なおかつ危険手当も3700円。何も考えていないと思いますよ。まともに考えていたら、こんな数字出てこないはずだし」
地元猟友会のトップは、怒りをあらわにします。
問題視したのは、出動した際に支払われる“報酬の安さ”です。
町から提示された額は基本の日当が4800円。出没地周辺の見回りなど危険手当が3700円。合わせて8500円です。発砲した場合は1800円が加算されます。命がけの危険な業務であるにもかかわらず、報酬が不十分だと訴える山岸さんは番組の取材に対し、次のように話します。
山岸部会長「条件提示されたけど、これじゃとてもやってられないよということでお断りした」
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■報酬の増額検討も…交渉決裂■報酬の増額検討も…交渉決裂
周辺自治体の報酬と比較してみると、芦別市は駆除した場合、1頭あたり3万円。札幌市は駆除・運搬した場合は3万6300円。新十津川町では駆除した場合1頭あたり6万円。奈井江町が、他の自治体より、少ない金額であることが分かります。町は報酬の増額も検討していましたが…。
奈井江町 三本英司町長「電話でお話をしている中で、じゃあ断念せざるを得ませんねということでお伝えしました」
町と猟友会、両者の溝は埋まらず交渉は決裂。今後、クマが目撃されても、町が猟友会に駆除を依頼することはありませんが、町内では13日も牧草地で親子とみられる2頭のクマが目撃されています。
今後、誰が駆除するのでしょうか。 三本町長「今までも猟友会だけではなくて、地域の狩猟免許を持っている方がいろいろな形で協力していただいています。そういう人たちの力を借りながらやっていきたいし、できるだけ早くきちっとした形を作っていきたい」
(「グッド!モーニング」2024年6月14日放送分より)
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