今、東京都内で問題になっているのが、ウミネコの大群です。早朝からけたたましい鳴き声で飛び回り、フン害も頻発しています。
■深夜も早朝も…大音量で「ミャーミャー」
大都会・東京の上空を飛び回るのは、カモメの仲間・ウミネコです。ミャーミャーと特徴的な鳴き声が聞こえます。くちばしの先が黒いように見えます。
全国の海沿いに生息し、親しまれてきた鳥ですが、住民たちを悩ませる「厄介者」になっていました。 マンションの住人「屋上を見に行ったら巣があった」 江東区の住宅街には、毎年5月ごろからウミネコが大挙して飛来します。
マンションの屋根には、フンのあとが至る所にありました。
近隣住民「特に夜ですかね、鳴き声がすごくうるさくて。(夜の)9時とか10時ごろとか多くて、ちょっとしんどいなと思う時もあります。本当に増えましたね、ここ数年で」 名前の由来にもなっているネコのような声は、夜が更けても聞こえてきます。
深夜1時、住宅街にウミネコの鳴き声が響き渡っています。5分ほどカメラを回していますが、10回以上、大きな鳴き声が聞こえてきています。
ウミネコの全長は50センチ弱ですが、羽を広げると1メートル以上にもなる大きさです。本来はその名の通り、海の近くで生活しています。次のページは
■フン害で…「洗濯物干せない」住民悲鳴■フン害で…「洗濯物干せない」住民悲鳴
東京都によると、1990年代、台東区にある上野動物園が保護していたウミネコを園外に放ちました。97年には動物園につながる不忍池で繁殖したことが確認されていて、2010年代から区内だけでなく中央区、墨田区、江東区でマンションの上空を飛び回るようになったといいます。 時間を選ばずやって来る、ウミネコたち。午前6時すぎ、10羽ほどいるでしょうか、大きな鳴き声を上げています。マンションのそばには、白い点々としたあとが道中に広がっています。すごい数のフンが落ちているのが分かります。
近くに住む人は、洗車に追われていました。
近隣住民「このフン害はすごいよ。すごいよ、ベタベタになっちゃう。毎日2回、うちはこうやってホースがあるからいいけど」
「(Q.洗濯物にも?)それはもうめちゃくちゃ。洗濯物なんか出せない」
「(Q.外干しできない?)外に干せない」
隅田川を挟んで向かいの台東区のマンションに住む人も、こう話します。
マンションの住人「もともと周りにいることは知っていたんですけど、急に鳴き声が一日中したり、建物の周りにフンが増えた。屋上を見に行ったら、巣がもうあった」 今から1年前に撮影された写真には、サッカーボールほどの大きさの巣の中に茶色い卵とヒナが見えます。同じような巣は全部で7つ確認できました。
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■島の崖と似て「安心して子育てできる環境」■島の崖と似て「安心して子育てできる環境」
なぜウミネコはマンションの上に巣をつくるのでしょうか? 千葉県立中央博物館分館 海の博物館平田和彦研究員
「子育てを行う際に、天敵となるキツネとネコとかに襲われにくいように、崖のような海岸線、そういった所を選んでいます。マンションというのは島と似たような環境で、 険しい崖に似ている所で、安心して子育てができる環境」 東京都は条例で、1000平方メートル以上の建物には屋上緑化を義務付けていて、ウミネコが巣をつくりやすい環境になっているといいます。 ウミネコやその卵は、個人が勝手に駆除することは法令で禁止されていますが、都はおととし特定業者に限り、巣の駆除を認めました。
先ほどの台東区のマンションも一度、区の委託業者が巣を撤去しましたが…。
マンションの住人「もう数週で巣がつくられちゃったんですね。新しく巣がつくられてしまい、何回も駆除しないといけないのが大変なので、屋上にネットを張って巣をつくれなくするんですけど。繁殖が終わった後に、それをやりましょうことになった。100万円みたいな工事」 このマンションでは、管理組合が100万円ほど費用を負担。台東区によると、巣の撤去には1回分だけ助成金が出ますが、ネット設置に対しては「マンションの設備と考えているため助成金は設けていない」ということです。 マンションの住人
「屋上緑化で巣をつくりやすいという状況がありながら、負担は住民側が支払い続けないといけない」
「(Q.ネット設置を行政に補助してほしい?)それは一つの案だと思います」
(「グッド!モーニング」2024年6月14日放送分より)
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