17日夜に発生した豊後水道を震源とする地震で、愛媛県で5人、高知県1人、大分県で2人のけが人が確認された。

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 四国電力は18日、運転中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で発電機の出力が約2%低下していると発表。点検と復旧までに1日程度かかる見通しだが、外部への放射線の影響はないとしている。

 JR四国によると、予讃線の特急「宇和海」を松山―宇和島駅(いずれも愛媛県)間で18日昼ごろまで運転を見合わせる。予土線は宇和島駅と窪川駅(高知県四万十町)の間で18日は終日運休する見通し。また、国土交通省によると、愛媛県大洲市の国道197号が落石のため通行止めになったほか、愛媛、高知両県の県道の一部で通行が規制されている。

 地震から一夜明けた18日、自治体や消防などは被害の確認に追われた。最大震度6弱を観測した高知県宿毛市では、住宅の外壁や窓ガラスが割れるなどの被害の報告が市に寄せられた。市によると、けが人の報告は現時点ではないが、40代男性が過呼吸を訴えて病院に搬送されたという。また、各地で水道水の濁りが確認され、最大で市内の約6割に影響する可能性があるとして、四国地方整備局などに給水車の派遣を要請した。

 18日未明の宿毛市内を記者が歩くと、住宅の屋根瓦が落ちるなどの被害が確認できた。市内でラウンジを経営する小野田由美子さんは、大きな揺れに襲われ、店内のソファに倒れ込んだ。食器や酒瓶が床に落ちて割れるなどしたといい、「ここで生まれて68年、こんな地震は初めて。また余震があると聞くと怖くて眠れない」と話した。

 宿毛市は18日、すべての小中学校を臨時休校に決めた。県立宿毛高校(宿毛市与市明)では、渡り廊下の床がひび割れるなどの被害が出た。また、市によると、震度4を観測した同県土佐清水市と大月町の市町境で土砂崩れが起きたとの情報があるという。

 震度4を観測した高知県梼原町では、倒木と落石で町道が通行止めになり、松谷地区の5世帯10人が孤立状態となった。全員の無事が確認できているという。ほかにも落石や倒木で通行できない道路が2カ所あるが、18日午前中に解消できる見込みだという。

 震度6弱が観測された愛媛県愛南町。民宿を営む吉田由紀子さん(51)は、2階の自宅台所で揺れを感じ、とっさに食器棚を押さえた。家族や愛犬は無事だが、近くで水道管が破裂し、水があふれているという。「横揺れが10~15秒ほど続いた。津波の心配はないと聞いて安心した。海端なので、もし津波が来たら大事になる」と話した。

 同町御荘平城にあるコンビニの男性店員(28)は店内で洗い物の作業中に地震に遭った。「今までに感じたことのないような大きな揺れ」で、店内ではワイン5本が棚から落ちて瓶が割れ、カップ麺やスナック菓子などが散乱したという。

 愛媛県の中村時広知事は18日未明、県庁での災害対策本部会議後に報道陣の取材に応じ、「何よりも優先すべきは人命救助。今のところそういう報告は入っていないが、それを最優先にしたいと思う。伊方原発については揺れは確認されているが安全上の問題は発生していないことを確認している」と述べた。

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