東京都の小池百合子知事が、来月7日投開票の都知事選挙に立候補すると12日に表明しました。決意表明では「変えるべきは変え、守るべきは守る。東京大改革3.0を進めていく」という考えを示しました。
■生放送カメラ意識 出馬表明直後に発した言葉
小池知事は12日夜、報道陣の取材に応じました。
小池知事「今回3期目の挑戦ですけれども、1期・2期、2016年・2020年ともに、無所属で政党の推薦なしで戦っておりますので、3回目も同様にしたいと思っています。都民の皆さんにご推薦いただく、そういう戦いにしていきたい」
事態が大きく動いたのは、12日の午後でした。
小池知事「もっとバージョンアップさせた東京大改革3.0を進めていく。その覚悟を持って7月の東京都知事選挙への出馬を決意いたしました。これからも都民のために都民と共に、もっともっと都政の発展へと全力を尽くしてまいります」
これまで明言を避け続けてきた小池知事が、ついに出馬を表明しました。その後、報道陣の前に姿を見せると、まず口にしたのが…。
小池知事「今リアル(生中継)でやってらっしゃるのはどこ?はいそちら、分かりました」
出馬表明直後の午後2時半すぎは、午後の情報番組が放送されている時間です。生放送を行っているテレビ局のカメラがある画面右側の方へ視線を寄せた時の言葉に注目しました。
小池知事「今、歩みを止めてはいけない。そういう東京都政にとっても極めて重要な場面だということから、今申し上げましたように、変えるべきは変え、守るべきは守る。東京大改革3.0を進めていく」
「(Q.具体的な公約は?)基本的に現職でございます。これからも選挙戦に向かっても公務を最優先にしていく。そしてまた公約については、むしろ毎日が公約のようなものでございますけれども、時代も変わる、変化が大変激しゅうございます。しっかりまとめていき、近いうちにお伝えする機会があると思います」
報道陣との質疑応答では、こんなやりとりもありました。
小池知事「(Q.『後だしじゃんけん』という声もあるが、他の候補をみて今回の出馬表明になったのか?)(公約を)今まとめているということだけで、候補40人ぐらいおられるので、全部目配りしているわけではございません。それぞれ主体的に進めるべきもの、公約とはそういったものだと思います」
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■各党にあいさつ 立憲には「特にないみたい」■各党にあいさつ 立憲には「特にないみたい」
各会派へのあいさつ回りで明確となったのは「温度差」でした。
自身が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」には、拍手喝采で迎えられます。 小池知事「アジサイがきれいでした。2期8年といいますか、皆さんは7年ですね、本当にお支えいただいて。また東京大改革はリードしていただきました。本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」 また都議会で連携している公明党でも拍手で迎えられます。 小池知事
「みなさんと共に都民のため、都民と共に進んできた8年だったと思います。本当にありがとうございます。そして東京、これが終わりではございません。これからが重要でございます。どうぞよろしくお願いいたします」
「これからが重要」として、小池知事から歩み寄り、都議一人ひとりと握手をします。
そして自民党では…。
自民党(都議会) 菅野弘一幹事長「これからは、ぜひ一緒にですね、都政改革の実現に。3.0、ぜひ実現に向けて」 小池知事
「都政改革3.0」 菅野幹事長
「力を合わせていきたいと思います」 小池知事
「ありがとうございます」
自民党関係者によりますと、小池知事は出馬表明を前に、自民党都連側に対し「支援はありがたい、今後どういう支援態勢にするのか相談したい」と伝えてきたということです。
一方、対立候補の蓮舫氏を支援する共産党は…。
小池知事「どうもみなさん、ありがとうございました」 共産党都議団
「お疲れさまでした」
部屋には入らず、入り口であいさつをする小池知事。そして、共産党の都議たちからも…。
共産党都議団「8年間お疲れさまでした」
「8年間ご苦労さまー」
「8年間お疲れさまでした」
共産党は、「8年間」を強調したうえで、「お疲れさまでした」と過去形で話しました。
そして最後に回ったのが、立憲民主党でした。
小池知事「すみません、お待たせをいたしました。いろいろとありがとうございました。特にないみたいね」
何を指していたのかは不明ですが、「特にない」という言葉について、立憲民主党の都議からは…。
都議会立憲民主党「『特にない』、何を期待したんだろう?花?」
「今から買ってきて…」
「花、期待しているわけないじゃん」
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■蓮舫氏 立憲に離党届を提出■蓮舫氏 立憲に離党届を提出
立憲民主党 蓮舫参院議員「(Q.蓮舫さん、いよいよですね)はい」
一方の蓮舫氏は12日午後、立憲民主党に離党届を提出しました。
蓮舫氏(離党届提出後)「とにかく私は挑戦者ですから。現職の方のいろんな余裕とか強さとか、そういうものを学ばせていただきながら、挑戦をしていく立場だなということを思いを新たに臨みたいと思う」
国会などで見せる険しい表情ではなく、時折、笑みを見せるなど、終始、穏やかな様子の蓮舫氏。“ある言葉”を何度も口にしました。
蓮舫氏「東京はもっと良くなります。もっともっと良くなります。どの世代の人の子どもたちも、生まれも育ちも学びも働いている人たちのやりがいも、人生の先輩方たちの安心も、もっともっとアップデートすることができると思っていますので。私の思いをもっともっと広げて、そして戦いに本番に臨んでいきたい」 小池知事
「都民が第一、都民のため、もっと東京を良くしてまいりたい」
「これからも都民のために都民と共に、もっともっと都政の発展へと全力を尽くしてまいります」
報道陣の前でも…。
小池知事「そしてもっと良くなる、もっと良くする東京ということを、みなさんと共に進めていきたいと考えております」 両氏とも、公約はまだ発表していませんが、蓮舫氏はすでに“牽制(けんせい)”を始めています。
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■「自民は嘘つき」旧文通費めぐり維新が激怒■「自民は嘘つき」旧文通費めぐり維新が激怒
蓮舫氏「不思議だなと思うのは、ご本人がまだ手をあげておられないのに、自民党の東京都連が推薦(実際は支援)を決めたりとか。だからそう考えると、私はどう考えても今までの立場でいったら自民とは距離が遠い立場にいますので、選んでいただける人たちが、今の自民党の姿をどういうふうに見ておられるのかも、ぜひ問わせていただきたいと思っています」
その自民党は今…。
日本維新の会 馬場伸幸代表「(自民党は)まさしく無責任であり、嘘つきであるということを言っても私は過言ではないというふうに思っております」 日本維新の会・馬場代表から「嘘つき」とまで言われた自民党。旧文通費を巡り、自民党と日本維新の会は、使い道の公開などを義務付ける法改正案に合意し、5日に衆院を通過。しかし…。 自民党 浜田靖一国対委員長
「(国会会期の)日程は来週金曜日まででありますので、なかなか厳しい。日程的にみると厳しいかなと思います」
自民党の浜田国対委員長は、旧文通費に関する法改正について、今国会では「日程的に厳しい」と発言すると、維新側は猛反発。
馬場代表(11日)「公党間の約束が破られるということになると、我が党としてはもう最大限の力を使って、自民党を攻撃するということになる」 馬場代表(12日)
「要は時間が足りないのでできないということでありますが、夏休みの宿題じゃないんでね。時間がないからできませんということでは、私は通用しないというふうに思います」
反発を受け、岸田文雄総理大臣は12日…。
岸田総理「ご指摘の旧文通費については、私と維新の馬場代表との間で、衆参議長のもとで設置される議論の場で前向きに検討を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずること、こういったことで合意をしています。これは公党の党首間の合意であり、かつ内容を文書でも確認しているものであり、これは重たいものであります」
岸田総理は、早期に結論を出す考えを強調し、「自民党として誠心誠意対応していく」と話しました。
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■立候補40人以上 政見放送“3時間40分”に?■立候補40人以上 政見放送“3時間40分”に?
都知事選挙への出馬を表明した小池氏。12日時点で、立候補を表明しているのは40人以上と過去最多に。そこで問題となるのが、東京都知事選の候補者のポスターが貼られる掲示板です。掲示板には30までの番号しかなく、候補者30人分のポスターしか貼ることができないように見えます。
しかし、説明書きや注意書きに割り当てられた枠の上に、小さく30以降の番号がふられていて、最大48人分のポスターが貼ることができるようになっていました。現時点で40人以上が出馬表明している東京都知事選ですが、過去の立候補者の数を見てみました。
石原慎太郎氏が2期目の当選を決めた2003年は5人。その石原氏が辞任し、猪瀬氏が都知事となった2012年は9人。舛添氏が当選した2014年は16人。女性初の都知事となった小池氏が初当選した2016年は21人。そして前回、2020年は22人と過去最多を記録しましたが、今回は現時点で、その時の2倍となる40人以上が立候補を予定しています。この状況に、有権者は?
70代男性「立候補する自由はあるので。でも、あまりに多いと、逆に選ぶほうも大変ですよね」 20代学生
「立候補者が多いのはいいことだと思います。共感できる人が1人は出てくるのではないかと自分の中で」
「(Q.選択肢が増える?)そうです」
立候補者が多くなると、こんな問題もあります。
政見放送は、立候補者1人につき最大5分30秒の時間が与えられますが、40人だと総時間は3時間40分にもなってしまいます。 今回の都知事選には、広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二さん、自衛隊の元航空幕僚長・田母神俊雄さん、元衆議院議員の小林興起さんら諸派や無所属で40人以上が出馬を表明。 来週20日に告示、来月7日に投開票されます。(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月13日放送分より)
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