口演する桂ざこばさん=2017年7月、神戸市で

 人情味あふれる語り口で知られ、タレントとしてもテレビで活躍した上方落語家の桂ざこば(かつら・ざこば、本名関口弘=せきぐち・ひろむ)さんが12日、ぜんそくのため死去した。76歳。大阪市出身。葬儀は近親者で行う。後日、お別れの会を開く予定。  上方落語を再興し、後に人間国宝となった桂米朝さん(2015年死去)に1963年に入門、朝丸と名乗った。88年に二代目桂ざこばを襲名。朝丸時代から、リポーターを務めるなど多くのテレビ番組でも活躍、歯に衣(きぬ)着せぬ発言が支持された。  情に厚い熱血漢で、高座でも表情豊かな語り口で人気を集めた。代表的なネタは「崇徳院(すとくいん)」「らくだ」「蜆(しじみ)売り」など。「上方お笑い大賞」の金賞を85年、大賞を92年と2003年に受けた。16年度芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)。  若手に研さんを積む場を提供しようと08年、大阪市西成区のマンション内に寄席「動楽亭」をオープン。上方落語協会理事を務め、後進の育成に尽力した。米朝さんの死去後は桂南光さん、桂米団治さんら多くの人気落語家を抱える一門を束ねた。  今年4月30日、弟子3人の襲名を発表した動楽亭での記者会見が、公の場での最後の姿となった。


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。