新型コロナ禍で従業員に休業手当を払った企業に支給される雇用調整助成金などをだまし取ったとして、警視庁捜査2課は12日、詐欺の疑いで、伊吹治容疑者(54)=住所不定、職業不詳、江黒亮介容疑者(47)=東京都葛飾区、無職=ら5人を逮捕したと発表した。

◆「申請役」が「指示役」に

パトカーの赤色灯

 捜査2課によると、2人は企業経営者の交流の場で知り合ったとみられる。当初は伊吹容疑者の指示で江黒容疑者が申請役を担っていたが、その後は江黒容疑者が別の申請役に指示を出すようになったという。捜査幹部は「伊吹容疑者が不正受給を始めた経緯は定かではないが、中小企業の経営者同士でノウハウを共有していた可能性がある」としている。  逮捕事実では、共謀して2021年10月、江黒容疑者の介護サービス会社が従業員に休業手当を払ったという虚偽の申請により、雇調金など約1100万円をだまし取ったとされる。また、江黒容疑者は一緒に逮捕された松本幸子容疑者(56)=宇都宮市、職業不詳=らと共謀し、22年2月~3月、松本容疑者のエステサロン名義の虚偽申請で雇調金など約500万円をだまし取ったとされる。捜査2課は4人の認否を明らかにしていない。 

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