厚生労働省が公表した報告書によりますと、3月末の時点で臓器移植を希望する人は全国で1万8397人いることが分かりました。
このうち心臓の移植を希望する人は855人で、肺は603人、腎臓は1万4350人、眼球は2015人でした。
一方、人員や病床の不足を背景に移植手術を行う医療機関が臓器の受け入れを相次いで断念しています。
厚労省は件数や原因など実態の把握を進めるとしています。
この問題を受け、日本心臓移植学会は心臓の移植手術を行っている全国11の医療機関を対象に緊急アンケート調査を行いました。
その結果、去年1年間に施設側の事情で臓器の受け入れを断念したケースは16件ありました。
医療機関別では東京大学医学部附属病院が15件、国立循環器病研究センターが1件です。
医師やスタッフが足りなかったり、移植手術が重なり対応できなかったなどの回答があったということです。
去年、国内では115件の心臓移植手術が行われています。
日本心臓移植学会の澤芳樹代表理事は移植手術が一部の医療機関に集中していることを原因として挙げ、「心臓移植をする施設を増やすほか、医療機関同士の連携を強化するなどの対策を国に提言していきたい」としています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。