完成間近のマンションが引き渡しの直前に解体されることに。突然の知らせに地元でも驚きが広がっています。

■新築マンション“異例の解体”へ

 前代未聞の工事が始まりました。

 東京・国立市で解体工事が決まったのは完成間近のマンションでした。

近隣住民
「本当だと分かって、すごく驚いている」

反対していた住民
「こういう形になってびっくり」

不動産コンサルタント 長嶋修氏
「業界に30年以上いるが、このようなケースは初めて聞いた。引き渡しギリギリになって、すべてを中止・解体するのは業界としても驚き」

■富士山半分隠れ…地元でも衝撃

 問題となっていたのは「富士見通り」と呼ばれる関東・富士見百景にも選ばれた通りで建設されていたマンションです。以前は見えていた富士山ですが、このマンションが建つことによって富士が半分近く隠れてしまいます。

近隣住民
「富士山が見える富士見通りの景観が悪くなる」

 周辺の住宅の日当たりに影響が出るなどの懸念もありました。

 そして事態は急転。近隣住民のもとに解体の知らせが届きます。

近隣住民
「反対していた人もいた。やっぱこうなるかと」

 突然の解体…。なぜこのタイミングなのでしょうか。

 積水ハウスは、こうコメントしています。

積水ハウス
「建物が建つことによって周辺への影響を十分に検討することができていなかったため、当社として解体することを判断しました」

 専門家は、この判断が今後の不動産業界に尾を引く恐れがあると指摘します。

不動産コンサルタント 長嶋修氏
「全国のマンション建設現場で同じように反対運動があった時に『あそこは解体できたのに、なぜできない』と主張するケースが出てくるかも。(今回は)大手で体力があるので、この判断ができた」

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