東京・渋谷区が路上飲酒を通年で禁止する条例の改正案成立に向けて準備しています。週末の渋谷を取材したところ、路上飲みが相次ぎ、酔った外国人がけんかをして流血する騒ぎも見られました。
■車道でけんか発生…流血も
週末の渋谷の夜。駅周辺のコンビニ前には、お酒を片手に外国人観光客が集まっていました。 ベルギー人「“路上飲み”最高だよ」 ドイツ人
「路上で飲むのが一番最高。色んな人がいて、色んな人に出会えて、そういう人たちとお酒を飲んで楽しめるから」
入り口は人でふさがっていて、歩道はぎゅうぎゅう。車道にはみ出している人もいます。中には、完全に車道に出て話しこんでいる人もいます。
お酒が進みテンションが次第に上がっていきます。中には大音量の音楽をかけている人もいます。 アメリカ人「(Q.なぜスピーカーを持ってきた?)楽しむためです」
「(Q.アメリカでは路上にスピーカーを持ってくる?)ええ。みんな楽しんでいて、『いいね』と言います」 さらに、飲み物をかけられたことをきっかけにけんかが発生。車道に倒れこんでもみ合う2人。周りにいた人が数人がかりで引き離します。
立ち上がった男性をあおる人もいる中、なんとか周りがなだめます。
振り返り、カメラに向かって両手をあげて歩いてくる男性。その額には、血が流れています。男性は何事もなかったかのように、元いた場所へと戻っていきました。
そして、お酒を楽しんだ人が去った後には、お酒の缶やペットボトル、食べ物のごみ、たばこの吸い殻が捨てられていました。次のページは
■“路上飲み”渋谷に外国人集結のワケ■“路上飲み”渋谷に外国人集結のワケ
街の至る所に、お酒を持った外国人。なぜ渋谷では外国人の“路上飲み”が多いのでしょうか。
この男性が見せてくれたのは、SNSに掲載された写真です。
佐々木一真アナウンサー「これは電車の中で男性が寝てしまっている写真ですね。これは日本ですか?」 アルゼンチン人
「はい。渋谷は多くのことが許される場所なので、多くの人が飲むために、ここに集まっています」 イギリス人
「バーとかクラブとかで調べていたら、渋谷に夜遊びに来ていた人がいて。その中で“路上飲み”について話していた投稿を見かけたんです」 渋谷の夜の“路上飲み”についてのSNSを見て訪れているのだといいます。さらに、こんな人もいました。 アメリカ人
「ここでは一晩中、路上で歩きながら飲める。ボストンではできないから最高だよ。帰国してから最高だったと友達に言うよ」
渋谷の“路上飲み”は、SNSや口コミで外国人観光客に広がっていました。
渋谷区では毎日夜にパトロールを実施していて、4月の週末に注意をした人のうち、7割以上が外国人だったといいます。■センター街で花火「面白いから」
“路上飲み”で盛り上がるセンター街では、目を疑うような光景も見られました。
なんと渋谷のど真ん中で花火をしています。 センター街で花火をするグループ「(Q.花火はやめたほうがいいと思いますけれど)なんですか?テレビ局ですか?」
「(Q.はい。公道なので、花火はやめたほうがいいと思うんですけれど。なんで、ここで花火をされていたのですか?)面白いから」
「(Q.花火だけは、ちょっとやめたほうがいいと思います)分かりました。気を付けます」 迷惑行為が横行する渋谷の路上飲み。渋谷区は、路上飲酒を通年禁止とする条例の改正案を区議会に提出しました。
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■相次ぐ路上寝…車道で介抱される人も■相次ぐ路上寝…車道で介抱される人も
コンビニ前が、外国人の路上飲みで盛り上がる一方で、午前0時半すぎになると、至る所で寝てしまう人の姿が見られました。
パトロール隊に声を掛けられ、起きた男性。しかし、パトロール隊が去った後、すぐ寝てしまいました。スタッフが近づいて声を掛けます。 男性「(Q.どれくらい飲まれたんですか?)あんまり気にしないでくださーい」
声掛けには反応するものの、再び寝入ってしまいました。
午前1時すぎ、路上に座り込んで談笑する3人組。その横には、男性が植え込みに顔を突っ込んで寝てしまっています。仲間が起こそうとしますが、全く起きる様子がないです。 この男性は、気持ちよさそうに横たわって寝てしまっています。スタッフが声を掛けます。 男性「ちょっと今ね、めっちゃ酔っぱらって寝てたんですよ。今寝てたんすよ、起こさないで」
こう言いながらも、男性は目を覚まします。
その場を立ち去ろうとすると…。
男性「もうちょっと寝るわ!おやすみ!また、あした!!」
スタッフに手を振り、さらにはピースサイン。しかし、我に返ったのか、起き上がり…。
男性「ちょっと酔い覚めました」
「(Q.気を付けてください)はい!ありがとうございます!」 一方、このスーツの男性は、階段の手すりにつかまって立ったまま眠ってしまっているようです。
その後、目を覚ますと、階段を上がっていきます。座り込んで再び寝ようとしますが、下から男性のもとへと駆け寄る人が…友人でしょうか。スーツの男性の腕を抱えながら、2人で歩いていきました。
午前2時ごろ、友人の肩に両手をかけ、なんとか体を支えてもらっていますが、車道に座り込んでしまいました。 背中をさすり、介抱している男性。しかし、そこは歩道ではなく、車道です。 その後、友人に抱えられて歩道に戻ったようですが、支えていたもう1人の男性も酔っぱらっているのか、ゴロリと倒れ込んでしまいました。次のページは
■頭突き応酬 「離れろ!」警察が仲裁■頭突き応酬 「離れろ!」警察が仲裁
この日、街全体が泥酔した人たちの“ゆりかご”と化していました。
この男性は、キックボードを“枕”代わりにして、路上でお休み中です。 男性「(Q.大丈夫?車が近くに止められているので…)そうっすよね」
「(Q.キックボードはお兄さんのもの?)いや、違います」
“枕”は、他人のものでした。
男性「(Q.お友達とか、いらっしゃらない?)いや…あの…近くのバーに荷物があるんですけど」
男性はその後、友人がいるバーに向かって行きました。
同じ時間帯、渋谷駅前ではトラブルでしょうか。10人以上の警察官が出動し、一触即発です。 その近くで、あぐらをかいて寝る男性。友人が声を掛け、立ち上がります。 しかし、介抱へのお礼代わりに頭突きを見舞い、けんかに発展していました。 警察官「何やってんだよ!離れろよ!何やってんのよ」 男性
「こっちは分かってんだよ!」 警察官
「分かってんだったら、離れろよ」
混沌とする深夜の渋谷。警察官が仲裁に入ります。
男性「なんなんだよ!意味分かんね〜よ、マジで!」
その後、仲直りしたのか、2人はその場を後にしました。
■“立ち寝”男性 上半身ほぼ裸
一方、渋谷に取り残された泥酔者は後を絶ちません。
“立ち寝”する男性は、今にも崩れ落ちそうな状況です。90度に身体を曲げたまま器用に寝ています。 すると、扉から警備員が出てきて、敷地から出るよう注意しています。 男性をよく見ると、上半身ほぼ裸。Yシャツを羽織っただけの、ワイルドなファッションです。 そして、20メートルほど歩いてギブアップ。へそが丸見えの状態で、頭を抱えて寝てしまっています。スタッフが声を掛けたものの、男性は頑なに、その場から動こうとしませんでした。路上飲みを禁止する条例で、街に変化は起こるのでしょうか?
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月10日放送分より)
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