鹿児島市内の認定こども園で男児の首を切りつけたとして、保育士が殺人未遂容疑で逮捕された事件を受け、こども園が9日、保護者向けの説明会を開いた。説明会後、園の代理人弁護士が取材に応じ、原因究明や再発防止のための調査委員会を設置する方針を明らかにした。
鹿児島県警によると、逮捕されたのは保育士の笹山なつき容疑者(21)=鹿児島県南九州市知覧町西元。発表などによると、笹山容疑者は7日午前11時ごろ、鹿児島市内の認定こども園「可愛幼稚園」で、同市の男児の首付近を刃物のようなもので切りつけ、殺害しようとした疑いがある。調べに、「けがを負わせたことは間違いないが、殺すつもりはなかった」と話したという。
関係者によると、切りつけられたのはこの園に通う2歳男児。7日午前11時ごろ、園関係者が「男児が突然泣き出した。確認したら首から血が流れていた」と119番通報した。
代理人弁護士によると、子どもたちを園庭で遊ばせた後、教室に戻る際に園舎の玄関付近で男児がけがをした。職員は笹山容疑者を含め5人いて、笹山容疑者も救護にあたったという。当時は事件か事故か、分からない状況だった。
男児は鹿児島市内の病院に運ばれ、約1カ月のけがと診断された。命に別条はないという。その後、病院が県警に通報。県警の捜査に笹山容疑者が男児にけがを負わせたことを認めたことから、逮捕したという。
代理人弁護士によると、笹山容疑者は今年2月から同園に勤務。4月から担任を務めていたという。普段の勤務態度について、「まじめ」「優しい」などと評価する職員もいた。一方で、笹山容疑者のクラスでは、園児が擦り傷や切り傷を負ったケースが多かったという。
今後、園は再発防止や原因究明を目的として、弁護士、医師、保育士、保護者からなる調査委員会を設置する方針。(鳥尾祐太、安田朋起)
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