鹿児島県警察本部生活安全部の元部長、本田尚志容疑者(60)は、退職後のことし3月下旬、警察の内部文書を第三者に郵送し、職務上、知り得た秘密を漏らしたとして国家公務員法違反の疑いで逮捕されました。
漏えいしたのは、警察官によるストーカー事案の被害者の氏名などの個人情報が含まれる捜査結果の文書で、差出人として自分の名前は書かず、問い合わせ先に同僚だった元刑事部長の名前や連絡先を記載していました。
この事件で文書の送り先は札幌市に住むライターだったことが、5日、裁判所で行われた勾留理由の開示手続きで明らかになっていますがこのライターがNHKの取材に応じました。
それによりますと、ことし4月上旬に匿名の郵便物を受け取ったということで、「本田元部長とは面識はなく報道されて初めて知った。勾留理由の開示手続きで私の名前が出て元部長からの郵便物だったと思った。どうして文書を北海道まで送ってきたのかわからない」と話しました。
文書は、鹿児島県警の別の警察官が内部文書を福岡市の会社役員に提供したとして逮捕・起訴された事件の関係先から見つかっていて、警察は文書の流出ルートや元部長が漏らしたいきさつについて調べています。
鹿児島県警 本部長「隠蔽の意図もった指示は一切ない」
鹿児島県警察本部の野川明輝本部長は、6日に続いて県警本部で取材に応じました。
この中で野川本部長は、逮捕された元部長が5日の勾留理由の開示手続きで「県警職員が行った犯罪行為を県警本部長が隠蔽しようとした」と陳述したことに関して「被疑者が述べた2つの事案については、いずれも必要な対応がとられていて、私が隠蔽の意図をもって指示したことは一切ない」と強調しました。
その上で「被疑者が主張している動機に関しては、なぜそのような主張を行ったか事件捜査の中で必要な確認を行っていく。その上で、本件の捜査が終結した際に説明できることは説明していきたい」と述べました。
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