2023年1月に大阪湾で死んだ体長14メートル余りのクジラについて、大阪市は、市内の海運業者と8019万円で随意契約を結び、紀伊水道沖に運んで沈める処理を行いました。
この費用は、大阪港湾局が業者と協議して出した当初の試算の2倍以上で、業者が提示した額に近く、大阪市の入札等監視委員会は「契約事務手続きの適正性に疑義がある」として、ことし2月から調査を行い、7日に結果を公表しました。
それによりますと、随意契約の判断や処理方法は、緊急性から「違法や不当であったとまではいえない」としたものの、複数の問題が確認され、「予定価格の積算根拠や契約金額には疑義が残る」と指摘しました。
具体的な問題としては、いずれも港湾局のこの業務の担当ではない当時の人事・港湾再編担当課長が、業者で働く市のOBにクジラの処理後、酒を贈っていたほか、当時の経営改革課長が、契約の交渉期間中に2回ほど業者の担当者と会食していたということです。
また、この経営改革課長は、交渉の担当ではないのに市の試算額を業者側に伝えたうえ、価格交渉の場で業者側に立って合意できる金額に近づけるための議論に終始していたことなども確認されたということです。
監視委員会は、市に対して、ほかにも契約事務に関する違反がなかったかなど調査を行ったうえで改善策を講じることや、「契約事務ガイドライン」を改正するなどして再発防止策に取り組むことを求めました。
大阪市 横山市長「重く受け止め 再発防止に努めたい」
大阪市の入札等監視委員会が公表した調査結果について、大阪市の横山市長は「不適切、ならびに決して適切とは言えない事項が多々指摘されている。大阪市政の最終的な責任者である私からも、市民の皆様にご心配をおかけしていることを心からおわびしたい。市役所全体として非常に重く受け止め、再発防止に努めていきたい」と述べました。
その上で、疑義が残ると指摘された契約金額の妥当性などについては、今後、弁護士でつくる外部監察専門委員に委託して詳しく調べていく考えを示しました。
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