子どもをもつ親の大きな負担になっていると、度々指摘されるのがPTAの活動です。
その声にこたえて、PTAの業務を代行する業者が登場し、問い合わせが殺到する事態になっています。
■PTAの業務代行…保護者の声は?
1年に1回、くじ引きで役員決めをしたり、平日に学校に呼び出され何時間も会議をしたりと、避けられることが多いPTA。保護者と学校が協力して子どもをサポートするための組織のはずですが、経験者からは、このような声も聞こえてきます。
PTA経験者「ベルマークの集計をやって。1点、2点って、まだアナログだったので電卓使って」
「(Q.実際やってみてどうでした?)『こんなものなんだ、本当に』というのがありました」 PTA経験者
「役員さんとか先生方に、お茶を出さなきゃいけなくて。コーヒーだとミルクがいる、砂糖がいらないとか、そういう面倒くさいことがあってびっくりして。『え、そんなことまでするの?』みたいな驚きはありました。いらないものも、確かにあるような気がするので」
PTAの負担を減らそうと、小学校の運動会では今年から新たな取り組みが行われていました。
この男性、実は警備会社から派遣された警備員です。 山崎小PTA中谷美千代副会長
「(これまで)運動会のパトロールを保護者で担っていた。(今年は)それを外部に委託する」 毎年、PTA役員の仕事だった学校周辺の警備。常時6人程度を配置し、36人が交代で担当していました。
保護者からは、このような声も聞こえてきます。
保護者(PTA経験者)「子どもの学年を配慮してシフトを組むなど大変だった。警備もそうなんですけど、依頼するための細々とした作業、連絡が割と気をつかう部分」 保護者
「運動会のパトロールは『自分の子どもが見られないかもしれない』とか、役割がたくさんあるのは嫌かなというイメージがある」
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■PTA代行の満足度は…?■PTA代行の満足度は…?
こうした動きは、全国に広がっています。
1800校の登録があるPTAの代行業者には、依頼が殺到。問い合わせは、去年の2倍に増えています。
PTA専用支援サービス「ピータス」増島佐和子代表
「コロナ禍に期せずして、各PTA業務の棚卸しになったんだと思う。共働き世帯は、お子さんがいる家庭だと、過半数を占める。昔みたいに平日に当たり前のように学校に集まるとか、なかなか難しい」
外部に委託したことで、PTA役員も余裕をもって子どもの競技を見ることができました。
中谷副会長「外部の方に委託することで、保護者が競技に集中できる」
今回の場合、警備員1人で費用はおよそ2万円(午前8時〜午前11時半)。他には、カメラ撮影や受付・清掃などの依頼があるといいます。
PTA代行の満足度は?
中谷副会長「専門の方という安心感がありますし、人数もそこまでいらないですし、満足度は120%です。学校とともに『子どものために、やったほうがいい』ことは残す。それによってPTAの役割が透明化され、保護者からも敬遠されないPTAになり、一人ひとりに負担が行かないようなPTAにできたらいいなと思います」
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■業務管理アプリ導入「秒で終わる」■業務管理アプリ導入「秒で終わる」
横浜市の小学校では、PTAの委員選出業務を効率化するため、デジタル化に踏み切りました。 PTA代行業者を通じて導入を決めた、業務管理アプリ。これまで700人分の紙を学校に来て仕分けしていた作業も、アンケート機能を使えば、アプリ上で保護者とオンラインでやりとりができます。1団体あたり年間9900円(税別)で使用できます。 勝田小 元PTA役員川嶋さん
「(学校に)来てプリントを印刷して配るということがないので。クリック1つなので、秒で終わります」 横浜市立勝田小学校
石澤康史校長
「学校とPTAが目指す方向を一つにしてやっていきたい。PTAというのは、非常にありがたいし欠かせない存在。合理化をはかるのは、大いに歓迎。どんどん進めていただければと思います」
(「グッド!モーニング」2024年6月7日放送分より)
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