鹿児島県警察本部の元生活安全部長、本田尚志容疑者(60)が警察の内部文書を第三者に漏らしたとして、国家公務員法違反の疑いで逮捕された事件では、元部長が、裁判所で行われた勾留理由を明らかにする手続きの中で、文書を記者に送ったことを明らかにしたうえで「県警職員が行った犯罪行為を県警本部長が隠蔽しようとしたことが許せなかった」などと述べています。
松村国家公安委員長は7日の閣議後の会見で、「警察職員の模範となるべき立場にあった者が逮捕されたことは誠に遺憾だ。被疑者の主張に関する確認を含めた事件の全容解明が重要だ」としたうえで、「警察庁が今後、県警側の捜査や調査の結果を踏まえつつ、必要な監察を行うことが重要で、これらがしっかりと行われるよう指導していきたい」と述べました。
第三者に漏らしたとされる文書の内容は
捜査関係者によりますと、今回の事件で元生活安全部長が、第三者に漏らしたとされるのは、警察内部の報告のための文書です。
文書には、5日の裁判所での手続きで、元生活安全部長が「県警本部長が隠蔽しようとした」などと述べた鹿児島県内でのストーカー事案の捜査にまつわる情報が含まれていました。
鹿児島県警の警察官が、地域の住民に名前や連絡先を書いて提出してもらう「巡回連絡カード」を悪用し、女性に性的なメッセージを送ったとして、ストーカー規制法違反の疑いで捜査対象となった事案で、文書には女性の氏名などの個人情報も記載されていたということです。
捜査関係者によりますと、この事案では、女性が事件化を望まなかったことから、立件は見送られたということですが、メッセージを送った警察官は、本部長訓戒の処分を受けたということです。
この処分は公表されていませんが、捜査関係者は女性の意向を受けて公表しなかったとしています。
内部文書とともに、元生活安全部長本人が書いたとみられる鹿児島県警の枕崎警察署の30代の警察官が、逮捕・起訴された盗撮事件に関する書面が送られ「問い合わせ先」として、元生活安全部長の同僚だった元刑事部長の名前や住所、電話番号などが記載されていたということで、警察が詳しい経緯を捜査しています。
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