職務で知った秘密を退職後に漏らしたとして国家公務員法違反(守秘義務)容疑で逮捕された前鹿児島県警生活安全部長、本田尚志容疑者(60)に「県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとした」と指摘された県警トップの野川明輝本部長は6日、県警本部で報道陣の取材に応じ「事件捜査の中で必要な確認を行う」と述べ、「隠蔽」について否定も肯定もしなかった。
野川本部長は本田容疑者の逮捕について「大変重く受け止めている。全容解明を図るとともに、より抜本的で網羅的な対策を進める」と話した。
この日は警察庁長官の定例記者会見も開かれ、露木康浩長官が本田容疑者について「模範となるべき立場にあった者が逮捕されたことは極めて遺憾」と発言。また、漏洩したとされる情報は、ストーカー規制法違反事件の被害女性の氏名と県警の他の部長の氏名や住所、電話番号などだったと明らかにした。
露木長官は本田容疑者が「野川本部長の隠蔽が許せなかった」と動機を説明していることについては「(県警の)捜査の中で必要な確認が行われていくものと考えている」と述べるにとどめた。
県警では、別の情報漏洩事件や不同意わいせつ事件もあり、警察官の逮捕が相次いでいる。露木長官は「県警に必要な監察を実施するなどしてまいりたい」と述べた。
県警は本田容疑者を5月31日に逮捕した。鹿児島簡裁は5日の勾留理由開示手続きで、3月28日ごろ、霧島署員のストーカー容疑事案の処理結果を印字した書面を、札幌市の第三者に郵送したと容疑を詳しく説明した。
本田容疑者は、野川本部長が昨年12月、枕崎署員の盗撮事件の捜査で、本部長指揮の印鑑を押さなかったと主張。「不祥事が相次いだ時期で、本部長として新たな不祥事が出ることを恐れたのだと思う」と述べた。
また、本田容疑者の弁護士は6日、簡裁が勾留取り消し請求を5日付で却下したと明らかにした。〔共同〕
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