京都府の長距離トラック運転手の男性(当時52)が運転中に心筋梗塞(こうそく)を発症して死亡したのは長時間労働が原因だとして、遺族が勤務先の運送会社「田平陸送」(大阪府交野市)に約5400万円の賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で和解が成立した。11日付で、同社が謝罪し、解決金を支払う内容。原告側代理人への取材でわかった。
男性は2018年10月ごろに入社し、仕事で広島県内を運転中の19年8月に心筋梗塞を発症し、搬送先の病院で死亡した。北大阪労働基準監督署は22年9月、運行記録などから、直前半年間の時間外労働が過労死ライン(月平均80時間)を大幅に超える月平均159時間だったとし、労災認定した。
運送業界は過重労働が問題視され、今月から時間外労働の上限が年間960時間に規制された。ただ、月平均80時間は過労死ラインと同じで、720時間が上限の一般労働者よりなお長い。
原告側代理人の古川拓弁護士は「長年、過労死が多いのが運送業界。もっと早く残業規制が行われていれば、男性の命も救われたかもしれない。雇用者には適切な労働時間の管理を徹底してほしい」と話した。(山本逸生)
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