これは「司法の危機」だ。裁判官の人事制度を研究してきた明治大学教授の西川伸一さんが懸念するのは、岡口基一元判事が罷免(ひめん)されたことだ。国会議員で構成する裁判官弾劾(だんがい)裁判所は4月、SNSの投稿で殺人事件の遺族を傷つけたなどとして辞めさせる判決を出した。罷免は戦後8人目で、表現行為が原因となるのは初めてだ。司法に突きつけた課題とは何だったのか。

にしかわ・しんいち

 1961年生まれ。明治大学政治経済学部教授。専門は政治学。著書に「増補改訂版 裁判官幹部人事の研究」など。

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