下請け法は、事業者が下請けに対して不当な形で低い価格を定める「買いたたき」をしたり、発注後に減額したりすることを禁じています。

公正取引委員会によりますと、昨年度、下請け法違反の疑いや、そのおそれがあるとして事業者に指導を行った件数は8268件と、前年度を397件下回ったものの、2年度続けて8000件を超えました。

人件費や燃料費などコストが上昇しているのに、下請けに支払う価格について協議する機会を作らず、そのまま据え置くなどしていたケースに指導が行われています。

また、日産自動車が下請けの部品メーカーに支払う代金を一方的に差し引いていたケースなど、公正取引委員会が昨年度実施した勧告は13件と、過去10年で最も多くなりました。

公正取引委員会は、人件費の増加や原材料価格の上昇が続く中、中小企業に適正に価格転嫁が行われるよう、監視体制を強化したり下請け法の運用基準を改正したりしていて、藤本哲也事務総長は5日の会見で「コスト上昇分の価格転嫁が円滑に行われていないことがうかがわれる事案については、厳正に法を執行する」と述べました。

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