公費解体が始まった「輪島朝市」周辺=5日午前、石川県輪島市

 能登半島地震に伴う大規模火災で焼け落ちた石川県輪島市の「輪島朝市」周辺で5日、建物の公費解体の現地作業が始まった。法務局の職権で、周辺の264棟が「滅失」したとする登記手続きが先月30日に完了。所有者全員の同意がなくても、災害廃棄物として解体可能になっていた。今後、申請があった建物から順次解体される。

 輪島市朝市組合の組合員らが見守る中、午前8時40分ごろ、重機によりがれきの撤去が始まった。焼け跡となった通りで和菓子店を営んでいた塚本民子さん(73)は「ここに愛着があるからずっといたい。やっと解体が始まりうれしい。またのんびりと朝市をやりたい」と話した。

 冨水長毅組合長(55)は「5カ月間、この景色が変わらずつらい。出店となれば現状に合わせ新しい形で、輪島でも朝市を復興させたい」と意気込んだ。

 総務省消防庁の報告書では、焼失面積は約4万9千平方m。屋内の電気配線が地震で傷ついてショートするなど、電気に起因した可能性を挙げ、火の粉が舞い上がり「飛び火」して拡大したことも考えられるとした。

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