最近SNSやネットサービスに関するニュースをよく目にするようになりました。
私の名前を騙った投資詐欺まで登場しています。
SNSを使った犯罪はなぜなくならないのか、その理由を解説してまいります。
■世界&日本で人気のSNSとは?
皆さんにとってもSNSはなくてはならない存在になっていると思います。
では、今世界でどんなSNSが使われているか、ご存知ですか?
実は順位はこのようになっています。
WeChatは中国で使われているもので、メッセージや通話に加えて支払いの機能も付いています。ちなみにTikTokは6位、X(旧Twitter)は14位となっています。
では日本で最も使われているSNSは何だと思いますか?
日本では世界に比べてXのランキングが高いですね。これだけたくさんの人がSNSを使っているので、問題が起きたり詐欺の手段となりやすいんです。
そして最近では誹謗中傷も大きな問題となっています。
日本でも色々対策がとられ始めていますが、世界と比較するとこんなデータがあるんです。
もちろんこの削除要求のすべてが誹謗中傷、というわけではありませんが、それでも日本は世界で見ても誹謗中傷が多い国と考えられています。
一体なぜかわかりますか?
今言われているのがこの2つの理由です。
1.匿名で利用できるものが多い
2.行き過ぎた正義感
人は匿名性が高い空間だと攻撃行動が高まると言われています。
SNSも「他の人も言っているから」と自らの言動を正当化しやすい、
相手の顔が見えないので感情の抑えがきかない、そのため誹謗中傷がおきやすいと
いわれているんです。でもこれは世界共通ですよね。日本人に特徴的と言われているのが、2つ目の「行き過ぎた正義感」です。
日本人は規律を守る意識が高いと言われる一方で、ルールやマナーを守らない人、迷惑をかける人に厳しくあたる傾向があると言われています。
なので実は誹謗中傷している人の多くは自分の言動を誹謗中傷と思ってない人が多いとも言われているんです。
ただし、こうした誹謗中傷も程度によっては刑事罰に問われる場合があります。
社会全体で対応に取り組む必要があるんです。
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■「ニセ池上」はなぜなくならない?■「ニセ池上」はなぜなくならない?
そして最近では私の名前を騙った投資詐欺も登場しています。全て詐欺ですから
皆さん信じないように注意してくださいね。
そして今この詐欺広告で問題になっているのが、削除要請をしても対応してもらえないことなんです。一体なぜかわかりますか?
実は日本と海外とでは運営する事業者への対応が全く違うんです。例えばEUではデジタルサービス法(DSA)という法律があって、例えば違法コンテンツの削除要請に従わない、など、問題が起きた際に対応を怠った事業者には最大で年間売り上げの6%が制裁金として課されるようになっています。なので事業者も必死に削除しているわけです。しかし日本には現在このような法律はありません。政府はまもなく対策をまとめるとしていますが、こうして対策が後手後手になっていることで、「罰金もないし日本は後回しでいいや」となり、詐欺がのさばる結果となっているわけですね。
しかし表示された広告によって実際に被害にあっている人がいて、逮捕者も出ています。人の手で削除はできるはずなので、事業社には早急に手を打ってほしいと思っています。また、こうしたデジタル犯罪は日々「進化」しています。後れをとらないよう、日本の法律も整備するなど、素早く対応できる環境づくりが必要だと思います。
(6月1日放送 池上彰のニュースそうだったのか!! より) この記事の写真を見る
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