細胞を投与する自由診療の再生医療で一時的な視力障害が報告されたとして、細胞を製造したロート製薬(大阪市)が、関係する医療機関に、同様の症状が観察された場合は適切な処置をし、同社に連絡するよう求める注意喚起の文書を配布したことが1日、分かった。細胞の保存のために使われた有機溶剤が原因となった可能性が高い。
問題を調査した「特定認定再生医療等委員会」の議事録などによると、東京のクリニックで、更年期障害や卵巣の機能低下に伴う症状の改善を目的に、自由診療で同社製造の「脂肪由来の間葉系幹細胞」が点滴で投与された。
昨年11月、患者に視力障害が出たとクリニックが認定委員会に報告。今年3~4月にも、このクリニックで似た症状が2件相次いだ。いずれも回復したという。
認定委員会では、細胞に含まれていた有機溶剤「ジメチルスルホキシド(DMSO)」が血管の収縮を引き起こした可能性があるといった意見が出た。
ロート製薬によると、DMSOは細胞の品質を維持するための保存液として使用した。
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