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「三鷹事件」再審認めず 最高裁、元死刑囚遺族の特別抗告を棄却
旧国鉄の三鷹駅(東京)で1949年、無人電車が暴走して6人が死亡した「三鷹事件」の第2次再審請求審で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は、電車転覆致死罪で死刑が確定した竹内景助・元死刑囚=67年に45歳で病死=の再審開始を認めない決定をした。 元死刑囚の死後に遺族が申し立てた再審請求を棄却した東京高裁決定が確定した。15日付。4人の裁判官全員一致の意見。(太田理英子) 第2次請求は元死刑囚の長男が申し立てた。弁護団は、暴走した電車の写真を分析した鉄道工学者の鑑定書などを新証拠として提出し、確定判決通りの単独犯行は不可能で、元死刑囚以外の複数人による犯行だと主張した。 東京高裁は2019年7月、「抽象的な可能性を指摘しているに過ぎない。無罪を言い渡すべき明らかな証拠ではない」として再審開始を認めない決定を出した。長男側の異議申し立てを受けて高裁の別の部が審理したが、22年3月に棄却を決定。長男側が最高裁に特別抗告していた。 三鷹事件は戦後占領期の1949年に起きた「下山事件」「松川事件」と並ぶ旧国鉄三大事件の一つ。49年7月15日夜、東京都三鷹町(現・三鷹市)の車庫にあった無人電車が三鷹駅構内で暴走、脱線し、6人が死亡し、約20人が重軽傷を負った。 捜査当局は旧国鉄の人員整理に反対する共産党の組織的犯行とみて、運転士の党員ら10人を起訴。一審東京地裁判決は9人を無罪とし、唯一党員でなかった竹内元死刑囚の単独犯行として無期懲役を言い渡した。二審東京高裁判決は死刑とし、55年に最高裁で確定した。元死刑囚は、第1次再審請求中の67年に病死した。