反戦や平和を訴え続けたジャーナリストの故・むのたけじさんの遺志を継ぐために創設された「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」を終了すると、実行委員会が31日に明らかにした。むのさんが生前に講演会で障害者を差別する発言をしていたことが理由だとしている。

 埼玉県庁で会見した実行委によると、むのさんは1979年9月、北海道新聞労働組合主催の講演会で、障害者の出産について差別的な発言をしていたという。同賞の過去の受賞者から情報が寄せられたことがきっかけで判明した。このことを受け、鎌田慧さん、落合恵子さん、佐高信さん、永田浩三さんの4人はいずれも実行委の共同代表を辞任した。

 同賞は、2016年に101歳で死去したむのさんの精神を受け継ぎ、地域に根ざし、住民の生活向上をめざして発信・活動する個人・団体を顕彰しようと創設された。今後は「地域・民衆ジャーナリズム賞」を新たに設立し、むのさんの精神を継承するとしている。(中村瞬)

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