2023年1月に閉店した北海道帯広市の百貨店「藤丸」が、釧路地裁帯広支部から特別清算の開始命令を受けたことが分かりました。民間の信用調査会社、帝国データバンクによりますと、関連会社の「ふじまるビル」と合わせて負債総額は約34億600万円です。
呉服店として124年前に創業 ピークは145億円超の売上高
藤丸は呉服店として1900年(明治33年)に創業。1930年以降は百貨店として営業してきました。
北海道東部で唯一の地元資本の百貨店として、周辺一帯の顧客から支持を得ていました。
衣料品を主体に食料品や雑貨などの商品を店頭販売を中心に取り扱い、ピーク時の1992年8月期の売上高は約145億7300万円を計上しました。
経営改善で一時回復 ネット通販や他業態に押され経営不振
デフレ不況で個人消費が低迷したことなどから集客が伸びず、2002年8月期から4期連続で赤字を計上。2006年8月期から不動産の売却や従業員の給料の削減など経営改善に取り組み、一時的に経常黒字を回復しました。
しかし、インターネット通販の台頭や他の業態との競争が激化。札幌圏に顧客が流出していたことから本格的に回復しませんでした。
コロナ禍が追い打ち 7期連続の赤字で2023年に閉店
コロナ禍は営業時間の短縮を余儀なくされ、2021年8月期の売上高は44億7600万円に落ち込み、7期連続で欠損を計上。再び経営不振に陥り、2023年1月に閉店しました。
不動産賃貸や管理業務を手掛けていた関連会社の「ふじまるビル」と同じ5月20日付で釧路地裁帯広支部から特別清算の開始命令を受けました。負債は藤丸が25億4000万円、ふじまるビルは8億6600万円で2社の総額は34億600万円です。
ベンチャーが立ち上げた新会社 2年後の再オープン目指す
藤丸の建物は帯広市の自動車販売会社の親会社とベンチャー企業が立ち上げた新会社が屋号を引き継ぎ、早ければ2年後の再オープンを目指しています。
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