人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜細胞をつくる関連技術について、理化学研究所の元プロジェクトリーダーで発明者の高橋政代氏らが、特許権を持つ理研などの同意がなくても使用できるよう経済産業相に求めた裁定で、一定の条件下で使用できるとする内容で和解したと、高橋氏らが30日午後、東京都内の記者会見で明らかにした。和解は同日付。
和解内容は、高橋氏が社長を務めるビジョンケア(神戸市)などに、網膜の病気である萎縮型加齢黄斑変性と滲出型加齢黄斑変性の一部を対象とした自由診療で、患者自身から作ったiPS細胞由来の網膜細胞の製造や使用などを30例まで認めるとした。
高橋氏は「申し立ての結果、特許権を有しなかった者に特許発明の使用が認められたことは、同じ境遇に苦しむ発明者を勇気づけるものとして成果を上げられた」とコメントした。
特許を所有する和解相手の一つ、医療ベンチャーのヘリオス(東京)は「眼疾患に対する新たな治療法の実用化や治験の実施を着実に進めてまいります」とのコメントを出した。
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