長野県岡谷市の中学校で理科の実験をしていた生徒4人が体調不良を訴え、病院に搬送されました。いずれも症状は軽いということです。市教委によりますと「硫化水素」を発生させる実験中に、手順を間違え想定以上のガスが発生したということです。

岡谷市教育委員会は午後4時から会見を開き陳謝しました。

消防によりますと、5月30日午前9時40分頃、岡谷南部中学校から「理科の実験中に生徒が硫化水素を吸い込み、せき込むなど具合が悪いと訴えている」などと通報がありました。

搬送されたのは2年生の男女4人で、喉に荒れはあるものの入院の必要はなく症状は軽いということです。


当時、行われていたのは教科書にも載る一般的な実験です。鉄と硫黄を混ぜて燃焼させ「硫化鉄」を生成。その後、塩酸をかけて「硫化水素」を発生させるものです。

硫化水素は有毒な気体のため、手順では生成された硫化鉄の一部を塩酸の入った専用の容器に入れることにしていました。

しかし、今回、一部の生徒が生成された硫化鉄に直接、塩酸をかけてしまったため想定以上の硫化水素が発生したということです。

岡谷南部中学校の校長は「実験の手順はビデオなどで説明してしたが、指導の徹底がされていなかった」などと話しました。

この実験をめぐっては体調不良を訴える生徒がこれまでにも相次いでいて、この中学校でも2017年に生徒12人が搬送されています。

今回は部屋の窓を開けるなどの換気の対策は行っていたということで、学校は改めて生徒への指導を行い、再発防止に努めるとしています。

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