粉飾した決算書を金融機関に提出し、融資枠を5億円に増額させたなどとして、大阪府警は30日、医療機器販売会社「白井松器械」(大阪市中央区)の元社長、弘野俊彦容疑者(62)=大阪府豊中市=ら2人を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

同社は経営状況が悪化しており、枠を利用し資金を得て、他の金融機関への返済に充てたとみられる。

捜査関係者によると、他に逮捕されたのは経理担当だった元専務、羽田同徳容疑者(68)=同府枚方市。

2人の逮捕容疑は共謀し、2022年から23年にかけて、財務状況が債務超過であることを隠して、粉飾した決算書などを大阪市にある金融機関に提出。融資枠の上限額が3億円の契約を更新させたり、5億円に増額させたりした疑い。必要な金額を上限額まで口座に振り込ませることができたという。

両容疑者は架空の売り上げや実際より少ない借入金を計上し、健全な経営状況に見せかけたとみられる。

白井松器械のホームページや民間調査会社などによると、同社は1872年に創業。昨年9月、大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。府警は今年3月、金融機関からの被害届を受理した。〔共同〕

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