中央線や複数の車線がない一般道路の法定速度について、警察庁は30日、現行の時速60キロから30キロに引き下げる道交法施行令の改正案を取りまとめた。通学路や住宅街などの幅員が狭い「生活道路」を対象として想定し、事故抑止を図る。2026年9月からの実施を目指す。法定速度のため標識を設置せずに速度を規制することになり、運転手への周知が課題となる。
警察庁は生活道路対策として、11年から指定エリアの最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」などの取り組みを実施。だが他の道路と比べて歩行者や自転車乗用者が事故に巻き込まれる割合が高く、担当者は「これまで個別に行ってきた生活道路への規制が追いついていない状況がある」と話している。
警察庁は31日~6月29日、パブリックコメント(意見公募)を受け付ける。一般道の法定速度は、道交法が施行された1960年以来、車種ごとに一つ設定され、92年に全車種で60キロに統一された。30キロと60キロの二つの法定速度を併存させる取り組みは初めてとなる。
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