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 晴れた日は日傘、雨の日は雨傘と、傘が手放せない時期になりました。傘の持ち手が「J」の形をしているのはなぜでしょうか?

「カッコイイから」J字型誕生の理由

 なぜ傘の持ち手はJの形なのでしょうか。もちろん便利だから定着したのですが、誕生した理由はまったく別のところにあります。

 それは「カッコイイから」です。今回お話を伺ったのは、日本洋傘振興協議会認定アンブレラマスター・宮武和広さんです。いったい「カッコイイから」とはどういうことなのでしょうか?

 J字型の傘が誕生する前、18世紀のイギリスの絵が今と昔の雨傘の認識の違いをよく表しています。この絵を見て、何か違和感がありませんか?

 周りの人が、傘を持っている人を指さして笑っていませんか。いぶかしげな表情で見ています。  今だったら傘を持っていてもこんな表情で見られることはないと思うのですが、当時のイギリスでは傘は女性が持つもの。さらに、英国紳士は雨の日に馬車を使うことがステータスでした。

「男性が傘を持つことは格好悪い」と笑われる対象だったということです。

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■英国紳士の象徴「ステッキ」から発想

英国紳士の象徴「ステッキ」から発想

 「それはおかしい」と立ち上がったのが、この絵の中心で傘を差している「傘の先駆者」と呼ばれるジョナス・ハンウェイさんです。

 ハンウェイさんはどんなに笑われようとも、雨が降っている日は傘を差して歩き続けることを貫いたのです。そうすると、イギリスでも雨傘の実用性が認められるようになりました。

 男性も傘を差すようになったことは、傘メーカーからすると大きなビジネスチャンスです。  「英国紳士に傘を買ってもらうためには、どうすればいいのだろう」と考えました。そこで、あるものをまねして、傘の持ち手をJ字型にしました。その、あるものとは何でしょうか。

 正解は「ステッキ」です。

 当時の英国紳士にとって、ステッキは「カッコイイ」アイテムの象徴だったということです。傘メーカーがステッキ職人に発注して、J字型の持ち手の傘が誕生したというわけです。

(スーパーJチャンネル「なるほどハテナ」2024年5月29日放送)

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