私立カリタス小の児童らが襲われた事件から5年、現場周辺で手を合わせる男性
「もう5年がたつが、事件のことが忘れられない。二度とあんな痛ましい事件が起きないように願っている」。事件発生時刻に近い午前7時半ごろ、近くに住む会社員の岩崎由紀子さん(53)は現場を訪れ、静かに手を合わせた。 カリタス学園の講堂では午前9時からミサが開かれ、遺族や在校生、保護者ら約350人が祈りをささげた。祭壇には犠牲となった6年の栗林華子さん=当時(11)=と、別の児童の保護者で外務省職員だった小山智史さん=同(39)=の遺影が置かれたという。 小野拓士(たくひと)校長は報道陣の取材に応じ、「どうしてあんなことが起きたのか、悔しさ、悲しさは今も変わらない。2人のことを忘れないようにしたい」と語った。私立カリタス小の児童らが襲われた事件から5年。現場周辺には花が手向けられていた=川崎市多摩区で
在校生の多くは事件当時は通学していなかったが、同校は児童らの心のケアを続けている。カウンセラーの大場貴久さんは「その子に合わせた形で保護者や担任とも協力し、サポートしている」と話した。 事件は2019年5月28日午前に発生。児童らが両手に刃物を持った男=当時(51)=に襲われ、栗林さんと小山さんが死亡、児童ら18人が重軽傷を負った。男は直後に自殺し、容疑者死亡のまま殺人などの容疑で書類送検され、不起訴になった。(渡部穣、竹谷直子) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。